異才の全録レコーダー「DBR-M180」&「REGZA Tablet」を試す(前編):BDレコ×タブレットを大検証(3)(3/3 ページ)
東芝のBlu-ray Discレコーダー「DBR-M180」は、タイムシフトマシンを搭載した“全録”機。まずはおさらいの意味も含め、その使い勝手を検証していこう。
モダンになったBDレコーダーとしての使い勝手
BDレコーダーとしての使い勝手は、旧製品と比較して、よりモダンになった。メニューは大きめのグラフィカルなアイコンを用い、1階層目を選択すると2階層目の機能一覧も可能で、目的の機能を探しやすい。電子番組表は最大7チャンネル6時間分と一覧性はあまり欲張っていないが、旧モデルと比較すると実際の一覧面積は広く、見やすさが向上している。

リモコンの「レグザメニュー」ボタンで表示されるメニュー。下が1階層目、上が2階層目。1階層目を選択すると2階層目も表示されるので目的の機能を探しやすい(左)。電子番組表はラ・テ欄タイプのみ。文字サイズは5段階、視聴中のチャンネルを中央列に表示といった設定も可能だ(右)再生やダビングでは内蔵HDD、光学メディア、ネットワーク機器がほぼ並列に扱われるようになり、録画番組一覧も未視聴、曜日別、連ドラ別、ジャンル別とユーザーに明示的に振分ける必要はなく、さまざまな一覧が選択可能になっている。もちろん旧製品同様(DBR-Zシリーズもそうだが)任意のフォルダ分けできた方が自由度は高いと思うが、競合製品を見れば分かるように、本機のスタイルの方がより一般的になっているのも事実だ。

このように内蔵HDD、光学メディア、DLNAサーバなどが並列に扱われる。今回は接続していないが、USB外付けHDDも同様。本機はUSBハブを介して最大4台の外付けUSB HDDを同時接続することが可能で、このように一色単にしてしまった方が分かりやすいのかもしれない(左)。録画番組一覧は最大2階層のタブで一覧を切替えることが可能。連ドラ録画、いわゆる帯番組の繰り返し録画を行った場合には番組別の一覧も可能だ(右)録画機能対応のテレビを経由してRDシリーズから継承されたといえる機能が、「ワンタッチスキップ」や「ワンタッチリプレイ」「おまかせチャプター」を利用した本編のみの自動再生機能「おまかせプレイ」に加え、ダビング時には本編のみや本編以外だけのダビングも可能となっている。

CMスキップに便利なワンタッチスキップ、ワンタッチリプレイは移動時間をカスタマイズ可能。最初に搭載したのはRDシリーズで、同社の録画機能付きテレビに採用され結果的に本機にフィードバックされたという形になるだろう(左)。通常録画品質の設定。USB外付けHDDを含め、現在のストレージ残量に対する録画可能時間も確認できる(右)マルチタスク性に関してはかなり柔軟だ。まずタイムシフトマシン機能での録画は常時行われていることが前提となるため、ほかの動作にはほぼ影響を与えない。2番組同時録画中にも光学メディアやネットワークダビングが可能で、録画番組の削除などもでき、マルチタスク性自体は高いレベルにある。
2番組同時録画と並行処理できない機能は、DLNAサーバ/クライアント機能であり、こちらも1番組録画中なら利用できる。ただし、タイムシフトマシン機能で一時保存した番組を通常録画領域へダビングすることは通常録画と並行できないので、これが少し厳しい制限となる程度だ。
一方、ダビングはタイムシフトマシン機能で一時保存された番組の通常録画領域へのダビング、HDDから光学メディアへのダビングともに等倍速仕様と思われ(マニュアル等にもとくに記述がない)、録画時間が丸々必要だ。光学メディアへのダビングに関しては2番組同時録画中でも行えるため、速くなくても良いという考え方かもしれないが、長時間の映画や連ドラをまとめてダビングしたい場合には不便なこともありそう。録画予約を気にせずに放っておけば済むという仕様でもあるが、気にならないといえば嘘になる。
またダビングに関しては光学メディアへのダビング時に画質変換ができず、事前にHDD内でダビングを済ませておく必要がある。この時BDやDVDの容量に合わせた「ぴったりダビング」も行えるが、光学メディアへのダビング時間まで合わせてどれだけ時間がかかるの? という感じになる。せめてHDD内での画質変換ダビングと光学メディアへのダビングを自動で行う機能くらいは付けていいのではないかと思うのだが……。
後編では、REGZA Tabletとネットワーク連携を検証していこう。
関連キーワード
Blu-rayレコーダー | REGZA | 多チャンネル同時録画 | 番組表 | 全録 | REGZA Tablet | レグザブルーレイ | レグザサーバー | AVCREC | HD Rec
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
パナソニック「DMR-BZT920」&お風呂テレビを試す
今回は、ソニー、パナソニック、東芝の最新BDレコーダーを紹介するとともに、DLNA/DTCP-IPによるネットワーク視聴や動画の“持ち出し”機能を試していこう。タブレットを“どこでもテレビ”にしてみたい人は要チェック!
大幅に機能強化した「Sony Tablet S」&「BDZ-AT950W」を試す(前編)
Blu-ray Discレコーダーとタブレット端末のネットワーク連携を検証するシリーズの第2回。まずはファームウェアアップデートによって機能が追加されたソニーのBDレコーダー「BDZ-AT950W」を紹介していこう。
大幅に機能強化した「Sony Tablet S」&「BDZ-AT950W」を試す(後編)
前回に続き、ソニーのBlu-ray Discレコーダーと「Sony Tablet S」とネットワーク連携を紹介していこう。番組管理アプリ「RECOPLA」やWebサービス「CHAN-TORU」の活用により、タブレットならではの使い勝手を実現している。
一皮むけた4Kテレビ、東芝「55XS5」で“4Kの痕跡”を味わう
東芝レグザの「55XS5」で、さまざまなBlu-ray Discの映画ソフトを観てみたところ、やはり4Kマスタリングの映画BDは画質が凄いと分かった。4Kの「痕跡」というか「残り香」が、濃厚に漂ってくるのである。その理由を探ってみよう。
“手間なく確実”が最大の魅力、バッファロー“ゼン録”「DVR-Z8」を試す(前編)
バッファローの“ゼン録”「DVR-Z8」は、最大8チャンネルの全録マシン。テレビのタイムシフト視聴では、全録ならではの使い勝手がうれしい。製品版を借用できたので、徹底的に検証していこう。
“手間なく確実”が最大の魅力、バッファロー“ゼン録”「DVR-Z8」を試す(後編)
バッファローの“ゼン録”「DVR-Z8」は、最大8チャンネルの全録マシン。手間なく確実に録画できるため、録画機のヘビーユーザーのみならず、ファミリー層にも適しているようだ。
「REGZA Tablet」のAV機器連携を試す
東芝の「REGZA Tablet」は、 テレビやレコーダーとの連携機能を重視した“ハイビジョンタブレット”だ。今回は、上位モデル「AT700」を中心に、“レグザサーバー”や“レグザブルーレイ”および録画機能付きREGZAとの連携を試してきた。
タブレットはもう、小さなスマートテレビ――東芝、本村氏に聞く
「CEATEC JAPAN 2011」で4K対応テレビ「55X3」などの新製品を一挙に発表した東芝。同社の「REGZA WORLD」において、それぞれの製品はどのような役割を果たすのか。REGZAの商品企画を担当する本村氏に話を聞いた。




