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国民総カメラマン時代の保管・共有手段、ソニー「LLS-201」を試す夏休みの思い出も(2/2 ページ)

スマートフォンなどの普及により、誰でも映像を記録する時代。この夏に撮り溜めたものも含め、このお盆休みに保管場所をなんとかしようという方に、候補となる手段の1つを紹介しよう。

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 その分、映像を楽しむ手順は非常に簡潔だ。スマートフォン/タブレット上の「PCS Manager」で写真や動画をブラウズしつつ、テレビへ出力したくなったら、再生画面をタップしてコントロールパネルを呼び出し、テレビ(HDMI出力制御)アイコンをタッチすれば、テレビ側に画像が出力され、スマートフォン/タブレット側に操作用画面が表示される。また、この際、本体のイルミネーションLEDが水色から緑に変化する(そのほかに、PCS Managerから接続されていない場合は白色、内蔵ハードディスクの空き容量が5%以下の場合は赤色など)。


テレビアイコンをタッチすれば、テレビ側に画像が出力され、スマートフォン/タブレット側に操作用画面が表示される


本体のイルミネーションLEDが緑に変化

 スライドショーなどにも対応しており、再生時の操作に特に不満はないが、動画をテレビ側に出力する際、目的の再生位置で一時停止して、テレビアイコンをタッチしても、必ず最初から再生されるのは少し残念だ。つまり、長回しで撮影したビデオの中から、面白いシーンをスマートフォン/タブレット側で頭出しして、そこからテレビ側に映し出すというようなことはできない。また、ファイルの分類は基本的に日付のみなので、大量の映像の中から目的のものを探し出すのは決して容易な作業ではない。

 繰り返しになるが、このパーソナルコンテンツステーション「LLS-201」では、NFC搭載スマートフォン/タブレットと組み合わせた場合に最も快適に使用できる。具体的には、本製品の天板右手前にはNFCタッチポイントが用意されており、ここにNFC搭載スマートフォン/タブレットを近づけると、ワンタッチ転送が実行される。「PCS Managerを起動」(まだインストールされていない場合は、ダウンロード/インストールを実行)→「Wi-Fi接続の開始」→「新しい画像を転送」という流れを自動的に行ってくれるわけだ。

 ただ、裏を返せば、NFC非搭載のスマートフォンやタブレットでも、この一連の動作を手動で実行させればいいだけともいえる。もちろん、こうした面倒な操作を排するだけでも十分に有用ではあるものの、せっかくなら、NFCを利用してもう少し凝った運用ができてもよかったのではないかと感じる。


付属のACアダプターはちょっと大きめ

NFCでフォルダー管理できると?

 本製品のコンセプトは、スマートフォン/タブレットやデジタルカメラなど、家庭内の様々な撮影デバイスから写真や動画を気軽にまとめて管理(保管・閲覧)できる場所を提供することだ。しかし、こうしたパーソナルコンテンツステーションのような機器には、さまざまなデバイスだけではなく、家庭内に存在する複数の“ユーザー”を考慮することも望まれるのではないだろうか。

 冒頭でも述べたように、家族の中で撮影するのはお父さんだけという時代ではない。スマートフォン/タブレット内に貯まった写真や動画を保管できる場所があるなら、お母さんも子どもたちも使いたいと考えるのは自然だし、1Tバイトという容量はそうした利用にも十分なサイズだろう。

 ただし、その場合、すべてを家族全員で共有する映像として、十把一絡げで保管するのではなく、ある程度は個々に管理できるようにしたいと思うのが人情だ。NFCを単なる接続確立だけではなく、複数ユーザーの識別・認証に利用し(全員がNFC搭載スマートフォン/タブレットを所有していることが前提になってしまうが)、各々の個人フォルダへ分類保管するとともに、「この映像に関しては自分のスマートフォンで操作する際にしか閲覧できない」といったアクセス制限などにも活用できれば、より魅力的な“コンテンツステーション”になったのではないだろうか。

 もちろん、この製品のコンセプトはあくまでも「撮り貯めた写真・動画をワンタッチで保存する」ということであり、その点ではなかなか利便性の高い内容に仕上がっている。とくにNFC搭載スマートフォン/タブレットのユーザーで、撮影した映像の管理をなるべくシンプルな手段で実現したいという方は、導入を検討してみてもいいのではないだろうか。

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