ソニー、85V型4Kテレビや4Kコンテンツ拡充策をCESで発表:2014 International CES
ソニーが「2014 International CES」の展示概要を発表した。4Kテレビ3シリーズや新しい4Kハンディカムを発表したほか、4Kコンテンツの拡充にも力を入れる。
ソニーは1月7日、米ラスベガスで開催される「2014 International CES」の展示概要を発表した。4K関連では、対応機器の拡充に加えて4Kコンテンツの環境整備を進める方針を打ち出している。
まず家庭用AV機器では、4Kテレビやデジタルビデオカメラのラインアップを追加する。北米向けの新“BRAVIA”(ブラビア)は、85V型から49V型までの3シリーズ9機種をラインアップ。昨年の5機種からラインアップを拡大している。
新ブラビアには、映像エンジン「4K X-Reality PRO」や昨年発表した広色域バックライトシステム「TRILUMINOS Display」に加え、新たに“Full array local Dimming”をうたうエリア制御技術「X-tended Dynamic Range PRO」を採用。高い解像度だけでは実現できない“光の輝き”までを再現することで、「総合的な画質を追求した」(同社)という。
また、HEVC(H.265)のデコーダーを内蔵し、インターネットなどを介して提供される4K/60pコンテンツをテレビのみでデコードして表示できるようになった。HDMI入力はもちろん4K/60pに対応するHDMI 2.0。さらにMHL 3.0もサポートしたことで、モバイル機器からの4K/30p入力も容易にする。
一方のデジタルビデオカメラでは、民生用の小型4Kビデオカメラ「FDR-AX100」が仲間入り。現行の「FDR-AX1」に比べて体積は約1/4と大幅な小型化を実現した。
有効約1420万画素の1インチ裏面照射型CMOSイメージセンサー「Exmor R」を搭載。記録にはXAVC Sフォーマットを採用し、最大約130分の4K動画撮影が可能だ(64GバイトのSDXCカード Class 10使用時)。「見たままの質感、高精細で遠近感のある描写を可能にする」(同社)。
撮影画像は4Kテレビでの再生に加え、フルHDテレビに接続してフルHDダウンコンバート再生も可能。さらに4K映像から任意の個所を切り出してフルHD映像として再生する「トリミング再生」機能も新しい。
4Kコンテンツを拡充
ソニーは、CESの展示会場に米国で昨年夏にスタートした4K映像配信サービス「Video Unlimited 4K」に対応する次世代の4Kメディアプレーヤー試作機を参考展示する。本体にHDDを内蔵し、4Kコンテンツをダウンロードして再生することで、再生安定性と高画質を両立させる。映像の再生ビットレートは最高100Mbpsを実現したという。また、H.264/H.265デコーダーに加えてXAVC Sデコーダーも内蔵しており、上記の“4Kハンディカム”「FDR-AX100/FDR-AX1」の撮影動画を内蔵HDDに保存し、4Kテレビで再生することもできるという。
「Video Unlimited 4K」は、すでに140タイトル以上をラインアップ(2014年1月現在)しており、今後も順次タイトルを追加していく予定だ。また再生ビットレートは最高100Mbpsを実現している。
またプレス・カンファレンスでは、4Kコンテンツ配信について米NetflixやYouTubeと協業することも明らかにした。Netflixは、2014年上半期から4Kコンテンツの配信を開始する予定で、新しい4KブラビアのHEVCデコーダーで再生できるようにする。またYouTubeに関しては、同社が開発しているWeb用次世代動画規格「VP9」で協業し、YouTubeの将来的な4Kコンテンツ配信と受信の実現に向けた取り組みを行う予定だ。
このほか、オンライン写真コミュニティサイト「500px」との協業や「2014 FIFA World Cup」ブラジル大会での4Kコンテンツ制作支援なども発表された。W杯の決勝戦では、FIFAによる4K撮影の技術支援をソニーが行うことになった。
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