DMM.com、世界初のロボットキャリア事業「DMM.make ROBOTS」を開始:組立済みのRobiも
DMM.comが世界初のロボットキャリア事業「DMM.make ROBOTS」を開始すると発表した。5月から富士ソフトやユカイ工学など5社のロボットを発売する。
DMM.comは1月27日、世界初のロボットキャリア事業「DMM.make ROBOTS」を発表した。ロボットメーカーに代わってロボットの販売やプロモーションを手がけるほか、クラウドサービスを提供してロボット向けのコンテンツ流通を促進する。第1弾として5月から富士ソフトやユカイ工学など5社のロボットを発売する計画だ。
オンラインのコンテンツサービスで知られるDMM.comだが、近年は3Dプリンター事業をはじめ、東京・秋葉原に共創空間をうたう「DMM.make AKIBA」を設営するなど、“モノ作り”をサポートする事業展開も進めている。今回のロボットキャリア事業も「DMM.make AKIBA」のある富士ソフトビルで同社のロボット「Palmi」(パルミー)を見せてもらったことがきっかけだという。
「国内ロボット産業の課題は、事業化意識の欠如だ。昔は良いものを作れば売れる時代だったが、顧客ニーズに沿った商品作りに移行する必要がある。また、産業技術のガラパゴス化で商品の汎用化が進まず、結果として国際競争力を高めることができていない。これらの課題を踏まえ、ロボットキャリア事業へ参入する」(DMM.comのロボット事業部長を務める岡本康広氏)。
最初に提供するのは、携帯電話キャリアのような販売プラットフォームだ。製品のプロモーションとネット販売、一次サポートなどを代行し、ベンダーは製造責任を負いつつ開発に注力できるようにする。もう1つの「DMM Robotics Cloud」は、クラウドでロボットのアップデートやコンテンツ提供に用いるほか、将来的にはビッグデータの収集などにも役立てる方針だ。「クラウドでロボットを進化させる仕組みを提供する。そしてDMMの持つ会員や課金プラットフォーム、配送など既存のリソースを活かすこともできる」(同氏)。
当面の目標はロボット販売プラットフォームの認知拡大。テレビCMを含めて積極的な展開を図る。当初の参画したメーカー5社に加え、今後も広くパートナーを募り、「日本屈指のロボットアソシエーション」に育てるという。また将来的には産業用ロボット技術の一般販売化、海外製ロボットのローカライズと輸入/国内販売、日本製ロボットの海外展開などグローバルな事業も視野に入れている。
岡本氏は、済産業省・NEDOの国内サービスロボット市場規模予測を紹介し、「今後はサービス分野、とくにコンシューマー向けのコミュニケーションロボットが拡大していくだろう」と予測。初のロボットキャリア事業で2015年に30億円、2017年に100億円の売上を目指すとしている。
当初、同社が扱うロボットは5機種。下記のうち「プリメイドAI」を除く4機種は5月1日に発売する予定だ。
富士ソフト「Palmi」(パルミー)
会話ができる癒し系コミュニケーションロボット。気軽なおしゃべりだけでなく、ニュースや天気を教えてくれたり、写真を撮ったり、歌いながらダンスもしてくれる。価格は29万8000円(税別)。5月1日に発売予定。
ユカイ工学「BOCCO」(ボッコ)
家に設置しておくと外出先から簡単に伝言ができるコミュニケーションロボット。子どもの使用を想定したもので、スマートフォンとスマートフォンを持っていない家族がメッセージをやり取りできる。お腹に録音と再生のボタンだけというシンプルなインタフェース。伝言は音声もしくは文字で送ることが可能で、文字の場合はロボットが読み上げてくれる。価格は2万9800円(税別)。5月1日発売。
プレンプロジェクト「PLEN.D」(プレン.ディー)
スマホで操作する二足歩行ロボット。見ている人がかわいいと思う仕草が特徴で、ローラースケートをすることもできる。ほかにもサッカーやスケートレース、パイルアップゲームなど。また「キネクト」に対応するソフトウェアも用意する予定で、ユーザーのゼスチャーでロボットを動かせるようになる。価格は16万8000円(税別)。5月1日発売。
ロボットゆうえんち/京商「プリメイドAI(プリメイド・アイ)
世界初のメイド型本格ダンシングロボット。ベースになったのは数々のテレビ番組やイベントに登場した同社のメイドロボット。ダンスデータ(モーションデータ)をダウンロードして転送すれば、それだけで本格ロボットダンスを自宅で再現できる。音声ユニットや拡張基板などオプションパーツも同時開発中。価格は9万9000円。9月に発売予定。
デアゴスティーニ・ジャパン「Robi 組み立て代行バージョン」(特別タイアップ)
「すぐにRobiに会いたい」というユーザーの声を受けて企画された組み立て済みのRobi。Robiはロボット・クリエイターの高橋智隆氏が手がけたコミュニケーションロボットで、通常はデアゴスティーニ・ジャパンの週刊「Robi」を購読しなければならないが、今回は特別タイアップとして販売が決定した。価格は未定。5月1日発売。
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