ソニーがデザインした“次の音体験”はスポーツにも役立つ:TOKYO DESIGN WEEK 2016
ソニーは「TOKYO DESIGN WEEK 2016」で、「MOTION SONIC PROJECT」の実験機を披露している。「人間の身体と音の関係をリデザインする」という意欲的なウェアラブル端末だ。
ソニーは、10月26日に開幕した「TOKYO DESIGN WEEK 2016」で、「MOTION SONIC PROJECT」の実験機を披露している。「人間の身体と音の関係をリデザインする」という意欲的なウェアラブル端末で、体の動きに合わせて横にあるスピーカーから音が出る。
腕に取り付けられたウェアラブル端末は大きめ。マイクと加速度センサー、ジャイロセンサーを内蔵しており、装着した人の手の動きを検知して音に変える。パンチのように繰り出すと鈍い電子音が響き、腕を回せば音も回る。アニメの格闘シーンを思わせる効果音が面白い。
まだ実験機ということで、今回はエンターテイメントに近いデモンストレーションとなっているが、実は「体と音を完全にマッチさせることにチャレンジ中」という高度なモノだ。例えば“腕を上げる”動作1つをとっても、マイクは人の耳が捉えきれない微妙な空気の動きまでを検知して音に反映する。加速度センサーやジャイロセンサーは腕の位置のみならず“腕の上げ方”も音に変える。動作と音が完全にマッチすると、「とても気持ちいい体験になる」という。
この技術はスポーツのフォーム学習など、さまざまな応用が検討されている。例えばアスリートに端末を装着してもらい、音を記録すれば、自身のフォームチェックに役立つのはもちろん、一般の人がそれを参考にして体を動かすこともできるだろう。「動きの微妙な違いを“音の違い”として認識できるため、フォームの学習は有力な用途。既にアスリートとの協業を進めており、うまくいったら端末の小型化なども合わせて実用化の方法を探りたい」(同社)
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