また本機にはXLRバランスとRCAシングルエンド2系統の2chアナログ専用出力がある。マルチchアナログ出力同様、ハイスペックなES9038PROの潜在能力が生かせるアナログ出力である。この2系統の出力をわが家のメインシステムに組み込んでいる愛用プリアンプ、独オクターブの「ジュビリープリ」につなぎ、同じオクターブの管球式モノーラル・パアワーアンプで米JBLの「K2 S9900」を鳴らしてみた。
CDやSACDの再生音は安定感のあるもので、わが家にある100万円超のSACD/CDプレーヤーのソニー「SCD-DR」(生産終了)と音質比較しても、落差をあまり感じさせない。音のきめ細かさや音場のスムーズな広がりでSCD-DR1の優位は認められるが、音像の実体感の豊かさや中低域の張り出しのよさではUDP-205はまったく負けていない。とくにわが家の再生環境では、XLRバランス出力の音が好印象だった。
USB-DAC機能も素晴らしいデキ
再生プレーヤー「foober2000」をインストールしたWindowsマシンと本機をUSB接続して聴くハイレゾファイル再生も実に楽しい。まずなんといっても、11.2MHzのDSDや384kHz/32bit PCMといった最高スペックのハイレゾファイルが、何の問題もなく再生できるところに本機のすごさを実感する。
エレクトリックベースの革新者ジャコ・パストリアスが自らのラージアンサンブルを従えた1982年ニューヨークでのライブ「Truth,Liberty&Soul」の11.2MHz DSDファイルを聴いてみたが、ハイスペックDSDファイルならではの輪郭補正を感じさせないナチュラルでスムーズなサウンドに聞きほれてしまったのだった。
最先端のオーディオ&AV体験がこれ1台で可能なスーパーマシン「UDP-205」の可能性の豊かさに改めて驚かされた今回の取材だったが、それにつけても日本のAV専業メーカーはいったい何をやっているんだろうと思う。こんな全方位スキなし製品こそ日本メーカーがもっとも得意とする分野だったのに、米国の新興勢力にこうも簡単にやられてしまうなんて。
ソニーからやっとUHD BDプレーヤー「UBP-X800」が登場してきたけれど、アナログ音声出力すら装備していない4万円台の製品。確かにこの値段にしてはよくできていたけれど、誰もソニーにこんな安価なモデルをつくってほしいなんて考えていないと思うけどな。パイオニア、デノンあたりもぜひ奮起して、AVファンを驚かせるUHD BD対応のユニバーサルプレーヤーを企画してほしいと思います。
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