4K動画に対応した“カジュアル全天球カメラ”、リコー「THETA V」の実力は?(4/4 ページ)
リコーの全天球カメラ「THETA」(シータ)に4K動画撮影にも大層した「THETA V」が登場。見た目は従来機と変わらないが、中身は一新されている。その実力を検証した。
4K動画と空間音声技術は使える?
動画は4K動画になり、VRスコープなどを使って動画を見たときの楽しさは増した。
その際、本体の前後に1つずつ、上部に2つの4つのマイクを使って「空間音声技術」を使って音声を録音する。
再生時に、視線の方向に合わせて音が再生されるので、臨場感がすごい。きちんと音声も取るには別売りの専用マイクが推奨されるが、本体内蔵マイクだけでも、イヤフォンを使って再生すればある程度は立体的な音響を楽しめる。
空間音声を楽しむときはTHETAを垂直に立てた状態で録画することと、YouTubeでシェアするときはパソコン側でYouTube用の音声フォーマットに変換してやる必要がある。
スマートフォンで鑑賞したときはそれなりに映像の向きに呼応して音が変化してくれたが、ちょっと微妙かなあ。
まあ現状ではこんな感じです、ということで。
4K動画の場合ファイルサイズが大きくなるのでスマートフォンへの転送も大変だ(なお、iPhone6以前の機種では転送時に2Kにリサイズされる)。
まだちょっとハードルが高いが、演奏風景をVR動画で残したいとか、水の音や鳥の声を一緒にVRネイチャー動画として記録したいときなんかはいい。
かくして、全天球写真・動画を撮れるカメラは数多く出てるけれども、プロ向けのゴツいのや高価な製品を除けば、やはりTHETAの安定感は群を抜いてるなと思った次第。特に転送の高速化はうれしいところ。
全天球の静止画をカジュアルに楽しむならクオリティ的にも使い勝手もトップといっていい。
VR動画に関してはまだカジュアルに楽しむには何かと重いけれども、4K対応や空間音声対応でクオリティはぐんと上がり、他社の動画重視のモデルに負けないレベルになった。
THETA V発売後もアプリのバージョンアップや本体のファームアップによって機能が増えており、今後のさらなる機能向上も期待できる。
今まで躊躇(ちゅうちょ)してた人も、そろそろ買ってもいい頃じゃない?
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