最寄りの駅までクルマで行き、鉄道・バスなど公共交通に乗り換える――「パーク&ライド」と呼ばれる“クルマと公共交通の連携”で、FeliCaの活用が始まっている。パーク&ライドには一般に、都市中心部の渋滞を緩和したり、CO2の排出量を減らしたりといった目的がある。
7月2日、大阪市交通局、大阪メトロサービス、パーク24、日本信号が、FeliCaを使ったIC乗車券システム「PiTaPa」を使ったパーク&ライドサービスの実証実験を開始した。パーク&ライドの取り組みは日本各地で始まっているが、FeliCaのIC乗車券システムと連携し、公共交通の利用履歴を使うものは全国初だ。
今回、実験が行われるのは、パーク24が運営する「タイムズ住之江公園駅前」駐車場。大阪市交通局の発行する「OSAKA PiTaPa」の乗車履歴情報を、タイムズの駐車場料金精算システムと連携させることで、"鉄道・バスを使った利用者"向けの駐車料金を一律200円割引。さらに駐車場料金支払額の5%相当分を、OSAKA PiTaPaポイントとして付与する。
なお、今回のサービスが利用できるのは、「OSAKA PiTaPa」(発行枚数9万枚)のみであり、他のPiTaPaカードは利用できない。ポイントをのせる仕組みとしては、FeliCaポケットを使っている。
今回のパーク&ライドサービスでは、大阪市交通局の「OSAKA PiTaPa」と、パーク24が発行する会員カード「Times Club Card」の2枚が連携する形になる。
パーク&ライドサービスを受けるには、まず最初に駐車場内の事前精算機でOSAKA PiTaPaとTimes Club Cardの情報を連携させる「サービス登録」を行う。登録作業は初めて使う時だけなので、2回目以降は必要ない。
パーク&ライドサービスの割引は、駐車場利用と同日に最寄りの住之江公園駅での鉄道もしくはバスの利用履歴があれば適用される。事前精算か出場時の精算で、駐車券とTimes Club Cardを精算機に入れ、その上でリーダー/ライターに「OSAKA PiTaPa」のカードをかざせば割引処理が行われる。
なお、今回のシステムでは、PiTaPa決済には対応していないため、PiTaPaカードによる割引処理後、駐車料金の支払いは現金かクレジットカードで行う必要がある。OSAKA PiTaPaカードはクレジットカードとPiTaPa機能が1枚になった一体型カードなので、割引処理とリーダーライターにかざしたあと、クレジットカード挿入口にいれれば、1枚のカードで割引と決済の両方を済ますことが可能だ。
今回のパーク&ライドサービスはまだ実証実験のため、利用時に駐車券とTimes Club Card、OSAKA PiTaPaカードが必要になり、操作がやや煩雑な印象は否めない。だが、将来的にこれらの機能が1枚のFeliCaカードにまとまっていけば、面倒な手続きや操作なしに「駐車場にクルマを置いて、公共交通に乗り換えるとおトクになる」シームレスなサービスが実現できるだろう。実証実験は2009年3月31日まで行われるので、その経過に注目していきたい。
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