生成AIで死者を“復活”させるビジネスは人を救うのか 指摘される懸念とは?世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)

» 2024年04月27日 06時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]

 最近日本で、中国発のこんなニュースが話題になった。

 TBSの報道によると、「世界では今、インプットされたデータから文章や画像などを自動で作り出す『生成AI』の技術が急速に進化しています。こうした中、中国では『生成AI』を使って、亡くなった人を『復活』させるビジネスが登場し、論争を呼んでいます」という。

 つまり、生成AIに死んだ人の画像や声などを学習させることで、亡くなった人と対話ができるというものだ。これは中国での話だが、実は世界では米国を中心にすでにこうしたサービスは始まっており、物議になっているケースもある。

亡くなった人をAIで「復活」させる中国のサービスが報道された(画像提供:ゲッティイメージズ)

 TBSが報じた中国のサービスでは、亡くなった老人や、幼くして亡くなった子どもの動画を作って、家族にAIサービスを提供している。確かに、家族などを失った人が、亡くなった家族と擬似であってもやりとりできるなら、心を癒やす効果があるというのは理解できる。

 同サービスは「スーパーブレイン」という会社が提供しているもので、何カ月も前から海外メディアでも取り上げられていた。フランスのテレビ局も2023年12月に報じており、こうしたデジタルクローンに注目が集まっていると紹介している。世界的に注目度が高いのは間違いないし、ビジネスチャンスも広がっているということだろう。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.