前回「明るく積極性のある人」という印象を与えるための、しゃべり方のコツをご紹介したが、声そのものも明るくて感じが良いにこしたことはない。それが響きの良い、耳ざわりの良い声であればさらにマル。そこで今回も速効性のある方法をご紹介しよう。
まず、人に信頼されるためには、男性も女性も、低めの声の方が良いと言われている。アナウンサーの小宮悦子氏が、視聴者の信頼感を高めるため、意識的に声を低くした、という逸話は有名だ。とは言え、発声の訓練を受けていない人が、無理に低い声を出そうとすると、うなり声のように苦しげになってしまうことがある。やや低めを意識しながらも、無理はしないこと。「うわずった声」「甲高い声」にならないように、落ち着いてしゃべるだけでずいぶん印象が変わる。
次に、響きの良い声を出す方法だが、ちょっとアクビをしてみて頂きたい。上あごの奥の柔らかい部分(軟口蓋)が、ぐっと上に押し上げられるのが分かるだろうか? このように、軟口蓋(なんこうがい)が上がると口の中のスペースが大きくなる。その結果、天井の高い建物で音が良く響くのと同様の効果が得られる。口のような小さい空間では、2ミリ程度軟口蓋が上がっただけでも、かなりの違いがあるのだ。オペラ歌手は、声を響かせるために、ほお骨、額、頭頂といった頭蓋骨部分はもちろん、胸や背中、腰をも反響板として使うそうだが、それには長年のトレーニングが必要。しかし口の中のスペースを広くするだけなら、1秒もかからずに誰でもできる。劇的な変化は感じられないかもしれないが、声も確実に明るくなる。
とは言え、広く取ったスペースを、保持し続けるのは簡単ではない。そこで、口の中のスペースを広く保つ時間を、少しでも長くする簡単な方法もご紹介しよう。その方法とは「笑う」こと。にこっと笑うと頬の筋肉が上がる。するとそれに連動して、軟口蓋も上に持ち上がる。アクビほど分かりやすくないかもしれないが、笑顔と暗い顔を交互に繰り返すと、軟口蓋の動きが感じられるはずだ。分からない人は、頬を下げ気味にした悲しげな表情で、明るい声を出せるかどうか、チャレンジしてみてほしい。頬が上がらないと、さわやかな声も出ないことが分かるだろう。
テレフォンオペレーターは、電話ごしで表情が見えないにもかかわらず、デスクに鏡を置き、笑顔を確認しながら仕事をすると言うが、それは表情が声がに影響を与えることが分かっているから。声を良くしたいなら、まず、大きなスマイルから始めてはいかが?
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