“おサイフケータイ×ネット家電”で生活はこう変わる――ソニーブースIC CARD WORLD 2008

» 2008年03月04日 21時33分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 おサイフケータイはこれまで、その名が示す通り決済関連のサービスが主流となっていたが、“かざして認証”“かざして情報取得”といった用途も徐々に浸透し始めている。IC CARD WORLD 2008のソニーブースでは、“かざして家電連携”という、新たなニーズに着目したデモが披露された。

“これ、見たい”と思ったら“タッチ”で決済

 最近はインターネット接続に対応したテレビが増えており、ネット上の有料コンテンツを大画面で視聴する環境が整い始めている。しかし、決済についてはクレジットカードによる支払いが主流で、利用者は購入のたびに決済情報をリモコンなどで入力する必要があるなど、煩雑な操作を強いられるのが現状だ。

 ソニーは今夏から秋のリリースを目指して、ネット家電による決済を電子マネーで行えるようにするためのソリューションを開発しており、ブースでサービスイメージのデモを展開している。ネット対応テレビに表示されたコンテンツの中からリモコンで見たいものを選択すると、画面上に料金が表示され、利用者はテレビに接続されたFeliCaリーダー/ライターにおサイフケータイ(もしくは電子マネー対応ICカード)をかざすだけでコンテンツを購入できる。

 このシステムを利用するためには、決済サーバと接続するためのミドルウェアをネット家電側に組み込む必要がある。このミドルウェアは「放送波経由では入れられない仕様」(説明員)であることから、あらかじめネット家電に組み込む必要があり、ソニーでは各家電メーカーに対応の検討を呼びかけているという。

Photo コンテンツ選びはリモコンで、決済はおサイフケータイで行う(左、中)。支払いが終わるとコンテンツを再生する(右)

Photo ソリューションのイメージ

未来のテレビは“タッチ”で情報取得

 テレビ番組からインターネットへの誘導はすっかり定着し、番組やCMでURLやQRコードを表示するのも当たり前になっている。一方でアクセス手段にはさほど進化が見られず、利用者はURLの手入力や空メールの送信、QRコードリーダーの起動といった手順をふんでサイトにアクセスしている。ソニーブースでは、こうした情報を“タッチ”で取得可能にするソリューションのイメージも披露した。

 地デジの放送波にFeliCaの信号を乗せることで、番組や商品の詳細情報にアクセスするためのURLやクーポンを配信する仕組みで、利用者はテレビに接続されたFeliCaリーダー/ライターに、おサイフケータイ(ICカード)でタッチするだけで情報を取得できる。

 この技術を利用するには放送局側の協力が必要となるが、現状では「放送局が採用を決めているわけではない」(説明員)としている。

Photo サービスイメージ(左)。携帯で取得したURLをFeliCa対応PCに送れば、PCでWebサイトの情報を閲覧できる(右)

ケータイの音楽を“タッチ”で共有

 携帯電話の中に保存された音楽を、カーナビで聴きたい――。こうしたニーズはユーザーの間で根強く、FMトランスミッターを搭載した端末や、有線接続するための車載キットなどが販売されている。

 こうしたニーズに対応するための手段としてソニーが披露したのが、FeliCaを使った音楽共有だ。ケータイで再生中の音楽を、BluetoothやWi-Fi経由で他の端末やカーナビにストリーミング配信するという手法で共有を実現する。

 端末内の楽曲をネットワーク経由で他の機器で再生する場合には、接続するための各種の設定を行う必要がある。こうしたネットワークに接続するのに必要な情報(BluetoothならPINコード、Wi-FiならSSIDやWepキーなど)をFeliCaを通じて送信することで、設定の手間をかけることなくネットワーク対応機器でのストリーミング再生を可能にするという。

Photo サービスイメージ(左)とタッチでカーナビと音楽を共有している様子(中、右)。携帯電話側で再生している楽曲をWi-Fi経由でストリーム再生しており、各種機能の操作はカーナビ側でも行える。なお携帯電話はWi-Fi機能を搭載したデモ用機だ

Photo 端末同士の共有も披露。聴いている曲を他の人に聴かせたい場合、タッチすれば、相手側の端末でストリーム再生できる。こちらもWi-Fi機能を搭載したデモ用機を使っている

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