人の暮らしに欠かせない「衣食住」の中のひとつ、「住まい」。人のライフスタイルが様々になったように、住居形態や住み方にもたくさんの選択肢が増えました。でも、あなたは自分に本当に合う住居スタイルをすぐにイメージできますか? 本連載では、住まい選びをする際のお手伝いとなるポイントをまとめていきます。
※本記事はHOME'S CLUBが執筆しています。本記事のテーマに関連するさまざまな調査結果や、住まいにまつわる一般の声についてはHOME'S CLUBの「住まいの選択、完全理解!」で読むことができます。
「子どもも生まれることだし、引越して人気のあの町に暮らしたい」「賃貸するのもいいけれど家賃も結構高いし、金利が低い今なら、いっそ購入する手もありそう」――でも、賃貸と購入では、始めに必要な費用はどれくらい違うのでしょうか。
ご存じの通り、賃貸には敷金礼金がかかりますし、購入するとなれば頭金が高額です。実際に、はじめに必要な費用はどのくらい違うのでしょうか?
結論からいうと、初期投資の比較では断然「賃貸」のほうが安く済みます。東京都23区内の同じような広さのマンションで比べてみたのがこの表。「購入」の場合、一般に住宅ローンを使うと思いますが、物件価格の最低2割は必要な頭金が大きな負担になっているのが分かります。4000万円の新築マンションなら800万円。それだけの貯金はありますか?
でもこの頭金を除いて考えてみると、「購入」の初期費用も130万円台で、「賃貸」と大差がありません。さらに「購入」で頭金の次に大きな出費はローン保証料。事例では民間の一般的な住宅ローンを使っているのでおよそ60万円と高額ですが、住宅金融支援機構の長期固定ローン「フラット35」を利用すればこれが無料になります。すると、頭金さえどうにかできると、初期投資は「購入」の方が「賃貸」より安い、という逆転現象が起こる場合もあるわけです。
もちろん「賃貸」でも最近は敷金礼金が不要、というケースも増えていますし、仲介手数料も50%オフという不動産会社も。その分、月々の家賃が高く設定されていることもあるわけで……。
それでは問題の頭金についてですが、意外に「そのくらいなら払えちゃう」という人も多いのでは?
というのも、政府の金融広報中央委員会が発表した2006年のデータでは、30代で何らかの金融資産を持っている世帯の保有額の平均は、1世帯455万円と高額だから。これなら、貯金を切り崩せば頭金は余裕で払えるという人もいるでしょうし、足りない分はちょっと親に頼んで出してもらえば大丈夫ですよね。
ただし、金融資産をまったく持っていない世帯が全体の27%も存在するのも事実。この「持たざる世帯」を加えた保有額となると、30代の平均は1世帯172万円へと激減してしまうわけです。この額だと、引越し費用などを含めると、ギリギリ賃貸マンションを借りられるかどうかですね。親世帯に頼れなければ、ちょっと現時点での「購入」は難しいといえそうです。夫婦共働きで2、3年倹約して、貯蓄額を増やしましょう! 頑張って月10万円の貯金を続ければ、3年で360万円です。
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