「1歳からのお好みソース」って何だ? 素晴らしきオタフクソースの“理論武装”それゆけ!カナモリさん(2/3 ページ)

» 2008年11月17日 07時00分 公開
[金森努,GLOBIS.JP]

11月7日 パワポはもう古い! 紙芝居のプレゼンに注目

 プレゼンの準備をしようと思えば、間違いなくほとんどの人がパワーポイントを立ち上げるだろう。そして、クライアントの会議室に通されると、そこにはきちんとプロジェクターが用意されていることも珍しくなくなった。

 筆者は青山学院大学で教鞭を執っている。担当科目は「ベンチャーマーケティング論」。講義の最終回には、学生に「自分が起業する場合のビジネスプラン」のプレゼンを行わせている。

 昨今の若者は「プレゼン上手」である。驚くのは、パワーポイントの使い方だ。筆者も実はパワーポイントのプレゼンではアニメーションをよく使う方なのだが、学生はハンパじゃない。動く、飛ぶ、鳴る……。少々やり過ぎである。「まずは内容ありき」と厳命してあるのだが、付いている機能はつい使いたくなってしまうようだ。

 「トヨタグループが『パワーポイント』自粛令!?」と報じられたのが今年の5月のこと。渡辺捷昭社長が「パワーポイントは枚数も多いし、カラーコピーも多用して無駄だ」と発言したことに端を発し、「A3一枚にまとめる」となったようだ。その後、トヨタグループでA3一枚での報告やプレゼンがスタンダードになったのかは分からないが、脱パワーポイントの1つの動きではある。

 しかし、プレゼンは相手の共感を引き出し、行動させるかが目的なので、A3一枚ではやはり少々心許ない。かといって、もはや誰でも(学生でも)器用に使えるパワーポイントでは差別化が難しくなってきているように感じる。

 そんな漠たる悩みを日々抱えていたところ、とあるクリエイターから、「自分は手書きのプレゼンにこだわる」という話を聞いた。B2サイズのスケッチブックを使った紙芝居をするのだと。また、テレビのニュースやクイズ番組でおなじみの、隠して置いた箇所を「めくる」という技も使うらしい。パワーポイントのアニメーションとやっていることは同じだが、そっちの方が数段見ていて楽しそうだ。

 では、手書きのプレゼンがカッコよくできるツールはないものかと思い、文具の老舗、銀座伊東屋に行った。かつて、そんな品物を見た記憶があったからだ。

 あった。外国製のクリアファイルの高級版みたいなものだ。何がただのクリアファイルと違うのかといえば、表紙を折りたたんで止めると、紙芝居よろしく、しっかりと自立するのである。ファイルを立てて、バサバサとめくることができるのだ。閉じると背の部分に持ち手がついていて、手に提げて歩ける。なかなかカッコいい。

 伊東屋の店員から意外な話を聞いた。

 このファイル、「手書きのプレゼンをサポートするツールなどもう流行らないだろう」と仕入れを中止していたのだが、今年に入って急に売れ出しているのだという。ちょうど最後の一冊で、その後はいつ取り寄せられるかもわからないそうだ。

 筆者と同じように、パワーポイントでは、熱い想いを伝えるプレゼンには不十分と感じる人が、どうも増えてきているようだ。

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