リッチ層の5人に2人は「今、金融資産を増やすチャンス」

» 2009年03月02日 17時28分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 GDPの減少や自動車販売台数の急減など、実体経済に大きなダメージを与えている金融危機。個人の資産や投資方針にはどのような影響を与えているのだろうか。マス富裕層(金融資産1000万円以上の個人)とマス層(金融資産1000万円未満の個人)に分けて尋ねてみた。

 HSBCプレミアの調査によると、「金融危機以前と現在とを比較した時、あなたの金融資産にはどのような影響がありましたか?」と尋ねると、マス富裕層では「減った」(67%)、「ほとんど変わらなかった」(31%)、「増えた」(2%)。「減った」の内訳をみると、「0〜10%程度減った」(16%)、「11〜20%程度減った」(15%)、「21〜30%程度減った」(17%)、「31〜40%程度減った」(9%)、「41〜50%程度減った」(5%)、「50%以上減った」(6%)だった。

 一方、マス層では「減った」50%、「ほとんど変わらなかった」(50%)、「増えた」(0%)と資産を減らした比率はマス富裕層より低かった。「減った」の内訳をみると、「0〜10%程度減った」(11%)、「11〜20%程度減った」(12%)、「21〜30%程度減った」(10%)、「31〜40%程度減った」(7%)、「41〜50%程度減った」(5%)、「50%以上減った」(6%)だった。

金融危機以前と現在とを比較した時、あなたの金融資産にはどのような影響がありましたか? (出典:HSBCプレミア)

投資したい国はここ

 金融市場では混乱が続いているが、「現在の金融市場の状況は、資産を増やすチャンスであり、積極的に投資機会を探したいと思いますか?」と聞くと、「そう思う」がマス富裕層で39%、マス層で15%。マス富裕層では5人に2人が今の状況をチャンスとみているようだ。

現在の金融市場の状況は、資産を増やすチャンスであり、積極的に投資機会を探したいと思いますか? (出典:HSBCプレミア)

 ここ数年、新興国への投資熱が高まっていたが、今も「関心を持っている」という比率はマス富裕層では55%、マス層では37%。関心を持っている人に投資したい国を尋ねると、マス富裕層では1位「インド」(56%)、2位「ベトナム」(40%)、3位「中国」(27%)、マス層では1位「インド」(53%)、2位「ベトナム」(36%)、3位「ブラジル」(31%)だった。

 インドに興味のある理由では「IT部門の成長力がある」「人口が多く、国内市場規模が大きくなることが予想される」「経済発展の初期段階にあり、中長期的には大きく成長することが見込まれる」などが挙がり、ベトナムに興味がある理由では「経済発展の初期段階にあり、中長期的には、大きく成長することが見込まれる」「先進国にはない価格競争力がある(例:膨大で安価な労働力がある)」などが挙がった。

 インターネットによる調査で、対象は30代から60代までの男女929人(マス富裕層311人、マス層618人)。調査期間は2008年12月16日から17日。

(新興国投資に関心がある人に)どの新興国に投資したいと思いますか? (出典:HSBCプレミア)

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