欧州での金融不安の再燃や米国自動車会社の破たん懸念から大幅下落清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年03月31日 08時28分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>7,522.02 ▼ 254.16

<NASDAQ>1,501.80 ▼ 43.40

<為替:NY終値>97.23-97.29

欧州での金融不安の再燃や米国自動車会社の破たん懸念から大幅下落

 先週までの比較的楽観的な雰囲気から一転、再び金融不安、信用収縮懸念が噴出、大幅下落となりました。欧州で銀行救済や銀行の損失拡大の話題に加え、米自動車株への再建が先送りされたこと、自動車大手の経営刷新から金融機関首脳への責任問題などから自動車株や金融株が大きく売られ指数も大幅安となりました。金融不安や信用収縮懸念が再び台頭したことから景気回復の遅れを懸念、自動車会社の破綻が景気のさらなる悪化を招くとの見方も強まったようです。

 金融不安や信用収縮懸念が一服となったことで戻りを試す展開となっていたものが一転して不安を煽るような状況となりました。米国での問題だけではなく、欧州での金融機関の問題が取りざたされて、終息に向かった金融不安が問題視されているようです。ただ、足元の景況感の底堅さもあり、一部のディフェンシブ銘柄や大型株がしっかりとしているところを見ると目先的な過熱感が冷めれば底堅さも見られるのではないかと思います。

 個別には再建策が先送りされたGM(ゼネラルモーターズ)は大幅下落、連れてフォードも軟調となりました。金融株も信用不安から大きく下落するものが目立ち、シティグループは12%安、バンクオブアメリカは18%の大幅下落となりました。信用収縮懸念から原油価格や貴金属価格が下落したことからエクソンモービルなど石油関連銘柄も軟調、景気悪化懸念からキャタピラーなど景気敏感株は売られました。個人消費関連銘柄は軟調ながらも底堅く、一方、ジョンソンアンドジョンソンはディフェンシブ銘柄として買われ、IBMも堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は週末の米国市場が大幅下落となったことや為替が円高に振れたこと、また、米国自動車会社の支援策を気にする動きなどから手仕舞い売りや見切り売りがかさみ大幅下落となりました。これまでハイテク銘柄や自動車株など輸出関連銘柄に持高調整の買戻しなどが多く見られ、株価を押し上げていた反動もあり、指数を大きく下押す動きとなりました。また、期末を控えて金融不安の再燃を懸念する向きの手仕舞い売りなどで金融株安く、買い気の乏しい展開のなか大きく下押すことになりました。

 欧州での金融不安の高まりや米国株の大幅下落を受けて、本日の日本市場も上値の重い展開となりそうです。ただ、昨日の大幅下落である程度織り込まれていると見られることから、下値も限定的となるものと思われます。昨日も期末を控えて持ち高調整の売り買いが一段落、買戻しが一巡したことからハイテク銘柄など値がさ輸出関連銘柄が大きく値下がり、指数を押し下げる動きとなっていましたが、本日も米国や欧州での信用収縮懸念に日本市場が振らされる格好となれば輸出関連銘柄や金融株の下落で指数を下押しすることになるのでしょう。

 昨日の引値である8200円から300円と言うところが節目となってはいるのですが、米国株安などから心理的な節目である8000円を試すような場面もありそうです。期末と言うこともあり、さすがに8000円をキープしようと言う動きは見られそうで、昨日の下落で織り込まれていることを考えても案外底堅い展開となるのではないかと思います。8000円を割り込まないとなれば買戻しなども入るものと思われますが、明日の日銀短観などの発表を控えて積極的な買いは期待し難く、切り返す場面があったとしても上値も限定的となりそうです。

本日の注目点

◇2月の家計調査(総務省)

◇2月の完全失業率(総務省)

◇2月の有効求人倍率(厚労省)

◇3月のユーロ圏インフレ率

◇1月の米S&P/ケース・シラー住宅価格指数

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.