「一方的な報道による誤解を解きたい」――堀江貴文氏の逮捕後初の会見を(ほぼ)完全収録(2/6 ページ)

» 2009年04月03日 12時20分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 私が捕まった容疑は「有価証券報告書の虚偽記載」それと「偽計風説の流布」という容疑です。あまり聞いたことがない言葉が並んでいると思います。3年前の事件当時の報道ではどういったことが言われていたかというと、例えば「私が暴力団とつながっている」だとか、「脱税をしている」だとか、「海外でマネーロンダリングをしているのではないか」というようなことが報道されましたが、こういったことはすべてデタラメです。そういったでたらめの報道に関しては2社、日経BPさん(参照リンク)講談社さん(参照リンク)に勝訴いたしました。そして賠償金を数百万円ずついただいております。

 そして私にかけられた「有価証券報告書の虚偽記載」「風説の流布」に関しては、「堀江がすべて考えて堀江が実行した」といういわば“堀江主犯説”というものが大きく報道されましたが、これに関しても一審の地裁判決で「少なくとも堀江は主導はしていない」ということは認定されました。そして仮に有罪だとしても、それを主導したのは私の部下の宮内(亮治)さんであり、彼が実は「会社のお金を香港あるいはスイス経由で海外に横領していた」ことが発覚して、「司法取引のようなことをして、私に多くの責任をなすりつけた可能性が極めて高い」ことが分かりました。「それ(宮内氏が堀江氏に責任をなすりつけたの)はなぜか」というと、彼が横領したとされる額は非常に高額で、私たちにかけられている証券取引法違反の容疑より刑罰は非常に重いものになります。「そういったものを回避するために、必要以上に彼は地検に迎合していたのではないか」ということが疑われております。

 ライブドアが捜査された翌日からライブドア株が大暴落しました。しかし、この原因の多くはまず月曜日に強制捜査をしたということ(にあります)。通常こういった経済事件は市場への影響を最小限にとどめるために、金曜日に行うことが通例です。なぜなら、土曜日と日曜日は市場が閉じているので、こういった大きなネガティブなニュースに投資家が直面したとしても、クールダウンすることができます。冷静に考えることができるようになるので、普通は(経済事件の捜査は)金曜日になるのですが、(あえて)月曜日にやったことは「市場への影響を大きくしよう」という(検察の)意思が見えます。

 さらに「実体が無い会社である」とか「粉飾額が100億円を越える」だとか、まあ実際に起訴されたのは50億円程度の粉飾なのですが、ライブドアが「まったく中身がない会社、価値がゼロの会社だから、いつつぶれてもおかしくはない」という報道がされたことによって、「マネックス証券が信用の担保としていたライブドア株の価値をゼロと評価したことが(参照リンク)、さらに大暴落の引き金を引いた」と言われております。

 ライブドアは当時2000億円程度の純資産を持つ会社で、それを正当に評価すれば株価は200円を割らないはずだったのにも関わらず、株価は一番安い値段で60円台まで落ち込みました。そこの差額はこの風評被害によるものであると考えます。ライブドアはこれだけ叩かれたにもかかわらず、強制捜査後の2007年の決算では利益剰余金を計上するに至っています(参照リンク、PDF)。それはライブドアが「実体の無い会社ではなく、実体もあり資産もある優良企業であった」ということを証明付けている事実だと思います。

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