手掛かり難のなか目先の需給に振らされて方向感のない展開週清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年04月13日 16時11分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 週末の米国市場が休場となったことから直接的な手掛かりに乏しい展開となりました。為替も大きな動きはなく、相変わらず持高調整の売り買い、目先的な需給に振らされる格好となり、これまで売られていた海運株や鉄鋼株、非鉄株、金融株に買い戻しが入り高くなるものが目立ちました。個別の材料や需給に振らされており、市場全体の方向感は最後まで見られませんでした。

 先週末もこのコラムで述べましたが、本日の相場などを見ていると業績悪化の比較的多くの部分は織り込みつつあるようです。今期も前期同様に芳しくないと見ている企業が予想通り多く、新聞等の観測記事でも多くは減益や赤字を予測するなど最悪期を脱していないかの報道が多くなっています。

 ただ、株価はそうした報道を尻目に堅調なものが多く、もちろん買戻しが主体、目先筋の売買が中心で今期業績などを織り込むような投資家は少ないとの見方もあります。逆に言えばそれだけ、業績には関係のないところでの売買が多くなっている言うよりは、今期業績は「それほど悪くない」ことを織り込んでいるのかもしれません。

 まだ今期も始まったばかりで最後まで、あるいは半年程度様子を見る必要があるのかもしれませんが、昨年10月から12月期のあの落ち込み方は尋常ではなく、「普通の」落ち込み方に戻るだけでも底堅さが強調されてくる可能性もあります。振れすぎた振り子がしっかりと戻っており、ここから足元の業績を見ながら、落ち着きどころを探っていくことになるものと思います。マスコミの報道やアナリストの見方も大げさとなる可能性も高く、常に冷静に見極めたいと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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