米国株の底入れ期待に週末の手仕舞いの買戻しがかさみ大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年04月17日 16時06分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株高や週末の手仕舞いの買戻しが優勢で大幅高となりました。さすがに上値の節目と見られる9000円を意識するところでは戻り売りや手仕舞い売りもかさみ上値を押さえられてしまうのですが、空売りをしても底堅さが見られることもあり、また、週末に大きなイベントを控えているわけでもないことから手仕舞い売りよりも買戻しが優勢となったようです。米国市場で底入れ感が強まったことも買戻しを急がせる要因となったものと思います。

 「売っておけば儲かる」と言う時期から「売っても売ってもなかなか儲からない」というような雰囲気に変わっているのではないかと思います。2月ころからヘッジファンドなどの手仕舞い、持高調整を皮切りにずっと、ハイテク銘柄などの輸出関連銘柄、景気敏感株の買い戻しと通信株が電鉄株、電力株や医薬品株などのディフェンシブ銘柄への手仕舞い売りや見切り売りがかさんでいるようです。足元の業績とは正反対の動きとなっているのですが、あくまでも目先的な需給要因だけで動いているということのようです。

 3月SQ(特別清算指数)算出や3月期末をが過ぎ、ヘッジファンドや年金の持高調整は終わったと思われたのですが、今度は目先筋、個人投資家などの輸出関連銘柄売り、内需株買い、の反対売買が出てきたということなのでしょう。売っても売っても上がるものだから、買い戻しては売り直すということが繰り返されているのではないかと思います。

 昔は、信用の買い残高が増えても株が下がれば減ったものですし、逆に空売りが増えても株価が上がれば踏み上げで空売りも減ったものですが、今は「買っては投げ、買っては投げ」と言うことで、株価が下落しても買い残高は減らず、「売っては踏み、売っては踏み」と言うことで、株が上がっても空売り残高が減らないという状況になっているようです。いずれにしても、こうしたときは「もう駄目だ!」と悲鳴が上がったところが天井であり、底になって来るのでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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