週末の大幅安の反動や米国株高から買い先行で始まるも上値の重い展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年04月27日 16時13分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 8726.34円 △18.35円
売買高 20億4365万株
日経平均先物 8750円 △10円
売買代金 1兆2715億円
TOPIX 833.10 △3.05
値上がり銘柄 815銘柄
東証マザーズ指数 352.27 △9.74
値下がり銘柄 737銘柄
日経ジャスダック平均 1039.28円 △4.88円
変わらず 148銘柄
騰落レシオ 101.60% ▼6.87%

日経平均

週末の大幅安の反動や米国株高から買い先行で始まるも上値の重い展開

 週末の大幅下落の反動や米国株高を受けて買い先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系11社ベーズ)も買い越しと伝えられたのですが、為替が円高となったこともあり、上値も限定的、寄り付きの買いが一巡した後は上げ幅を急速に縮小する展開となりました。それでもいったんはすぐに切り返し戻りを試すような動きになりましたが、改めて上値の重さを確認し、米国株高などの割には指数の上げ幅も限定的となりました。

 後場に入ると昼の時間帯の決算発表などを嫌気する動きから売り先行となりました。先物主導で下値を売り叩く動きも見られ、手仕舞い売りや見切り売りもかさみ軟調な展開となりました。目先筋が中心となるなかで、買戻しなどで底堅さも見られたのですが、上値を買い上がる動きはなく、結局最後まで戻りの鈍い、買い気の乏しい相場展開となりました。買い戻し一巡後は買い手不在ということで、目先的な材料や決算動向への反応も長続きせず限定的となっていました。

 小型銘柄は主力銘柄のもたつきを尻目に堅調なものが目立ちました。東証マザーズ指数は大幅高、二部株指数や日経ジャスダック平均も堅調となりました。先物は朝方はヘッジ売りの買戻しなどから指数を押し上げる要因となりましたが、その後は目先筋の小口売買が中心となる中で先行きへの警戒感などから売り急ぐ場面も見られ、指数を下押す場面もありました。

 相変わらず目先的な反応しか出来ない相場となっています。決算発表に反応しても発表のあったその日に反応するくらいで予想を上回る決算を発表しても買い方は限定的という感じです。決算への反応すら、先行きへの思惑で持ち高を超整すると言うよりはその日その日の持ち高を調整するかのように目先的な動きが目立ちます。決算動向に反応するというよりは決算動向に反応した株価に反応するというような感じになっており、これから決算発表が本格化するなかで一段と目先的な動きに右往左往することになるのかもしれません。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 相変わらず転換線に上値を押さえられています。一方でストキャスティックスの調整は順調に進み、RSIはまだ下値余地はあるのですが、過熱感は薄れて来ました。遅行線がそろそろ日々線を気にするところであり、ここで動きが出て戻りを試す動きになるのか、あるいは遅行線が日々線を割り込んでしまうのか、そろそろ動きがありそうです。

TOPIX

NYダウ

 引き続き遅行線が雲を意識して底堅さは見られるのですが、転換線を抜け切れません。RSIもストキャスティックスも過熱感はないのですが、まだ下値余地もあり、もう暫く底堅さを確認するような下値を試す動きが続くものと思います。

円相場

NYダウ

 基準線を割り込みましたが、まだ遅行線が日々線にサポートされており、底堅さも見られます。ここで反発とならないと遅行線が日々線を割り込み、調整が長引くものと思います。日々線は雲ではサポートされるのでしょうが、下値を試すことになりそうです。ストキャスティックスは底値圏にあるのですが、RSIはまだ下値余地もあり、いったん日々線が雲のサポートを確認するような調整となって来るのかもしれません。

銘柄ピックアップ

決算動向にネガティブな反応

中外製薬(4519) 1845 △227

 メキシコなどで豚インフルエンザの感染が拡大しており、米疾病対策センター(CDC)では「タミフル」などが有効としていることから、「タミフル」を製造している同社も大幅高となりました。

新生銀行(8303) 142 △18、 あおぞら銀行(8304) 137 △19

 25日付けの新聞で2010年夏の経営統合を目指して調整に入ったと伝えられたことから、財務基盤の強化や相乗効果での収益拡大を期待した買いが入り大幅高となりました。

北越製紙(3865) 438 △3

 今期(2010年3月期)決算で連結営業利益が前期比20%程度の伸びになると新聞で報道されたことを好感、割安感もあって買われる場面もありましたが反応も限定的で、買戻し一巡後は上値の重い展開となりました。

富士重工(7270) 395 △40

 先週末に前期(2009年3月期)決算を発表、大幅赤字となったものの、経常利益では赤字幅が従来の2分の1に縮小、今期(2010年3月期)の業績も懸念していたほど悪くないのではないかとの見方もあり、悪材料出尽くし感から大幅高となりました。

JSR(4185) 1255 ±0

 13時に発表された連結決算で今期(2010年3月期)の営業利益見通しが前期比51%減となる見通しと報じられ、アナリスト予想の平均を大きく下回っていることなどが嫌気されて一時大幅安となりましたが値ごろ感からの買戻しも多く、底堅い展開となりました。

森永乳業(2264) 299 △15

 後場中ごろまでは大きな動きはなかったのですが、14時に業績予想の上方修正を発表、連結純利益が従来予想の倍近い大きな修正となったことを好感して大幅高となりました。

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