米国株安にもかかわらず、SQやストレステスト、週末の手仕舞い売りやヘッジ売りをこなして堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年05月08日 15時57分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株が大幅下落となったのですが、日本市場は堅調となりました。昨日売られた銘柄から買われる、あるいはここのところ売られていた銘柄が買われるといった状況で、米ストレステストの結果発表やオプションSQ(特別清算指数)算出をものともせず、先物主導で堅調となりました。ちょうど先週の金曜日と同じように先物が安いだろうと思われていただけに逆に買い戻しを煽って指数を押し上げた雰囲気です。

 相変わらず目先的な需給に振り回される展開が続いています。為替が円安に振れたのですが、輸出株が売られて電力株や食品株などのディフェンシブ銘柄が買われるといった状況で、業績云々、景気動向が云々と言うよりは「売られていたから買われる」「買われていなかったから買われ、値動きの良さにみながついて行く」というような状況ではないかと思います。

 もちろん、基調が強含みで、節目と見られる水準を抜けたことで買い方の回転が効いたということなのでしょうが、いかにも「赤信号みんなで渡れば怖くない」的な発想に思えてすっきりとしない感じです。こうした目先的な動きについて行くのも良いのでしょうが、これまでも、こうした動きについていった結果が「バブル」のようなことになったのではないかと思います。

 底入れ確認も近いと見られているのかもしれませんが、目先的な動きに慌てて飛びつくよりはしっかりと方向を見極めることが大切ではないかと思います。目先的な需給=空売りの買戻しや先物の買い戻しが相場押し上げ要因であれば、買戻し一巡後に反動安の可能性もあるわけで、相場そのものが本当に変わったのかどうか、しっかりと決算動向への反応などを見極めてからでも遅くはないと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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