米国株高を受けて大幅高となりましたが、上値の節目と見られる日経平均9500円を意識して上値も限定的となりました。売り急ぐような動きはないのですが、米国市場でもまだ自動車問題など消化しきれていない部分もあり、また、景気底入れ感は強まってはいるのですが、確信を持つまでにはいたらず、上値を押さえる要因となったものと思います。
ようやく景気も株価も底入れとなって来るのかどうかという水準に戻ってきました。景気の回復が目に見えて回復しているわけでもないのですが、回復に対する期待、景気底入れに対する期待はかなり強まっているものと思います。ここで節目を抜けてくれば「やれやれ」と言う人も多いのではないかと思います。
昨年の10月の「大暴落」のさなかに買い向かった人達も利益が出る水準になっていると思います。利益が出る人達が増えることでますます株式市場に参入する人が増えてくるといいと思います。ただ、「もうこりごり」と言う人もいるかもしれません。株式投資と宝くじとどっちが得かなどと真剣に考えているコメントなども見かけますが、株式投資と宝くじやギャンブルと同列に考えること自体がおかしいことで、宝くじも株式投資もそれなりに有用ではないかと思います。
宝くじは半分が「てら銭」としてもって行かれるので、損だなどと言う理屈を述べる人もいますが、それはそれで大金を手にすることが出来るかもしれないと確率論以外のところで語られるものであり、同様に株式投資も「投資理論」ばかりで語る必要はないと思います。効率の良い投資と思っても時間がかかったり、当初の思惑よりもはやく投資資金が回収できたりと思わぬことが起こることも株式投資の「面白さ」でもあり、目先的な値動きに一喜一憂することばかりではなく、いろいろな側面から株式投資を考えてみてもいいのではないかと思います。
慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤」
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