著者プロフィール:中村修治(なかむら・しゅうじ)
有限会社ペーパーカンパニー、株式会社キナックスホールディングスの代表取締役社長。昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。
初詣に行って「おみくじ」を引く人も多いだろう。不景気が加速すると言われているが、今年は大凶なのか、大吉なのか? その確率をマーケティング的に考察してみる。
まずは「おみくじ」に関する豆知識を整理しながら考えていきたい。「吉」と「中吉」だったら、どっちが良い運勢なのだろう。おみくじの縁起の良い順番、その微妙な違いを知ってますか?
調べて見ると、寺社によっておみくじの内容もさまざまなのだが、7段階の場合、縁起の良い順番は以下の通りだ。
大吉>中吉>小吉>吉>末吉>凶>大凶
12段階になっている場合、縁起の良い順番は以下の通りだ。
大吉>中吉>小吉>吉>半吉>末吉>末小吉>凶>小凶>半凶>末凶>大凶
以上が、基本的な順番のようだ。
では「大吉」と「大凶」……それぞれどのくらいの確率で引くことになるのだろうか? インターネットで明記されている記事からピックアップしてみた。
東京の浅草寺では「100本のうち、大吉17、吉16、末吉6、末小吉3、半吉4、小吉4、そして凶30の割合」だという。凶の確率は3割と非常に高いが、大凶は「あまりにショックを与えるため」20年以上前になくなったそうだ。
一方、京都の八坂神社では「16番まである札のうち、4番と9番が凶」だという。ただし、おみくじの筒の中には、ふつう同じ番号が2本ずつ入っているが、4と9だけは1本。つまり、凶が出るのは30本につき2本(6.6%)ということになる。しかし2000年の新聞記事によると、福岡市内の22神社のうち14神社が「凶を入れてない」など、凶を取り除く神社も多いようだ。
「大吉17」+「吉16」=良運31より、「末吉6+末小吉3+半吉4+小吉4+凶30」=まあまあ&悪運69の方の確率を高くした方が、もう一度「おみくじを引こう=リピーター客」という顧客が多くなる。なのでその比率は、ビジネス的に考えても合点がいく。
「凶」に比べ「大凶」の出る確率は、極端に低く設定(2%以下程度)されている。「大凶」を出さない神社も多くあるようなので、総体的に見ると、数千分の1程度だと考えるのが妥当だろう。
ちなみに、おみくじには、大吉の上の「大大吉」と大凶よりもっと悪い「大大凶」もあるという。
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