おみくじの原価はいくら? 粗利益34億263万円の“ビジネス”(2/3 ページ)

» 2009年05月29日 07時00分 公開
[中村修治,INSIGHT NOW!]
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「大大吉」を引く確率は0.00004%

 どの神社で、それが用意されているかは明確ではないが、大阪の伏見稲荷神社では毎年、数人の人が「大大吉」を引いているようだ。正月3が日で250万人もの参拝客があるが、その内で1枚出るか出ないからしいので、その確率は0.00004%だ。宝くじの1等が当たる確率は0.00001%。宝くじなみなのである。

 その喜びの声と「大大吉のおみくじ」がブログで写真公開されている。見るだけでもなんか縁起が良い気分である。

 でも、こうやってネットをのぞいてみると「大大吉」のおみくじがちゃんと口コミネタになっている。よいPR素材になっている。さすが、伏見稲荷神社。商売の神様たる所以(ゆえん)である。

※「大大凶」の体験話は、残念ながら見あたらなかった。

 では、どのくらいの人が「おみくじ」を引いているのだろうか? 株式会社アイシェアの調査結果(20代から40代を中心とするネットユーザー372人の回答を集計した)によると、回答者のうち、今年の正月におみくじを引いたと答えたのは34.7%、129人。引いた枚数は「1枚」が75.2%で圧倒的多数を占めたが、「2 枚」が 15.5%、「3枚」も8.5%おり、4人に1人は複数枚。

 20代では半数以上が「2枚以上」引いており、女性では「3枚以上」が12.5%を占めた。おみくじの結果は「大吉」「中吉」が15%強、「小吉」「吉」が13%前後、「末吉」「凶」が5%前後、「大凶」は1人のみ。また「覚えていない」人も 31.0%にのぼった。

 今年1年の運勢を振り返ってもらい、おみくじの結果別に集計したところ、「大吉」を引いた人は25.0%が運勢も「大吉だった」と回答。以下「中吉」を引いた人は33.3%が「中吉だった」、「小吉」を引いた人は37.5%が「小吉だった」と答えており、「吉」を引いた人は35.3%が「吉だった」と答え、88.2%が「吉以上」。おみくじの結果と運勢がぴったり一致した人が、吉から大凶までのすべてで3割前後から5割を占め、大多数がそれ以上の運勢だった、という結果となった。

 正月におみくじを引く人は、全体の約35%。そして、その結果と1年の運勢がピッタリと一致したと言う人は、5割近くを占めるわけである。

 例え「大吉」でなくても、「吉」は「吉」。少しでも良い解釈のできる結果が見えたら、それ以上の運勢にしようと、人間は努力し、思い込むことができるということだ。

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