週末の「お化粧買い」での節抜けを確認し、景気底入れ確認(?)で大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年06月01日 15時56分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 週末の米国市場は大幅高となったものの、日本市場同様に月末特有の動きとも見られ、疑心暗鬼の始まりでした。ただ、円高に振れたにも関わらず内需関連銘柄や資源株などに買いが入り、日経平均の9500円を割り込んだところでしっかりと買いが入り、9500円の節目を抜けたことが確認されて、一気に買い進む動きとなりました。中国のPMI(購買部担当者景気指数)も好転していることや米大手自動車会社の問題もけりがついたということで「あく抜け感」からの買いも入り大幅高となりました。

 先日仲間内で話しているときに、「ディーラーは節操がない方が儲かる」などと言って笑っていました。「節操がない」と言っても決して悪い意味ではなく、「君子豹変」に近いものなのです。つまり、朝方は「今日は強そうだ」と思っても、思ったほど上がらなかった場合には「強いと言ったから・・・」などと、朝の考えにこだわる事がない方がディーリングはうまくいく、ということなのです。

 ですから、さっきまで買い一辺倒であったものが今は必至に売っている、ということもよくあることで、実際にそうした機敏な動きが目先的な売買には有効といえるでしょう。また、相場の変化に敏感でその上げ下げの「気配」を敏感に察知し、察知したのは良いけれどもその直前までのポジションや言動に次の行動が縛られないということが大切なのではないかと思います。

 「三猿金銭秘録」と言う相場について江戸時代に書かれた本の中にも相場の強気、弱気について「見ざる、言わざる、聞かざる」を貫く方が良い、と言っています。詳しいこと省きますが、つまり、相場を人に語ったり、人に聞いたりしていると自分の売買がうまくいかない、と言うことなのです。人にあれこれ言う前に自分のスタイルを確立し、「節操なく」「臨機応変に」売買することが良いのではないでしょうか。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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