週末の米国市場はまちまりでしたが、円安を好感して連日の年初来高値更新清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年06月08日 15時58分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 週末の米国市場はもたついていたのですが、円安を好感して堅調、大幅高となりました。輸出関連銘柄が素直に買い直されて指数を押し上げ、上値の重い場面もあったものの、9900円台を回復する場面もありました。底入れ確認となったことで、循環物色、買い気も出てきており、買戻しを急ぐ動きなどもあいまって大幅高となったものと思います。

 先週末の海外市場ではさすがに原油先物相場や貴金属相場は上げ一服となったようですが、また以前のような需給要因からの上昇が取りざたされています。株式相場だけではなく、商品の市況も市場の拡大や値動きなどが身近に感じられるようになったことで、いわゆるプロばかりではなく、普通の人達も関心を、持つようになりました。

 そして、金価格連動型のETFや積み立て、商品を運用対象とした投資信託など投資の対象として身近なものとなっています。ただ、株式投資は株の値動きそのものを見ることが多いのでしょうが、商品などの値動きがどれだけ株式市場に影響を与えるのかを知っておいた方がいいでしょう。原油価格が上昇するとどのような銘柄にどのような影響が出てくるのか、貴金属市況が上昇すると、株式市場ではどういう影響があるのか、など相関性を知っておく必要はあると思います。

 また、他国の株式市場の影響もどのように商品市場と関わっているのか、をしっかりと把握していれば、「アジア市場が高いから、日本市場が買われる」などと的外れな考えは出てこないのではないかと思います。もちろん目先的な影響とじわじわとあとから効いてくる影響と、そして当初は好感されていたものが上がりすぎると悪影響となることもあり、そうした影響の仕方も常に考えておきたいものです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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