達成感、過熱感に週末の大幅高の反動もあって軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年06月15日 15時34分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
前のページへ 1|2       

明日の相場雑感

 先週末の大幅高の反動や日経平均が10000円に乗せたことでの達成感、目先的な過熱感に加え、米国市場で半導体関連銘柄が売られたことから日本市場でも半導体関連の値がさ銘柄が売られ、指数を下押すことになりました。それでも出遅れ感が強い通信株などが買われるなど、出遅れ銘柄を物色する動きや値動きの良い小型銘柄を物色する動きがあり、底堅い展開となりました。

 本日のような手掛かりに乏しい展開となるときこそ、市場で「何が起きているのか」をいち早く察知して対処したもの勝ち、ということではないかと思います。週末の大幅高の反動、ということや日経平均が10000円という心理的な節目を抜けたことでの達成感が出ること、つまり、利益確定売りが出てくるだろうことはある程度予想される範囲であり、その次の展開として、出遅れ銘柄などが物色されることも予測されたことということになるのでしょう。

 もう一つは半導体関連銘柄が売られ、指数を下押す要因となったことが本日の相場の特徴です。値がさ銘柄の下落は値下り銘柄数や相場の雰囲気以上に日経平均を押し下げる要因となり、指数の下げ幅を見てあたふたとする、あるいは市場全体の雰囲気を見間違いないようにしたいものです。値がさ銘柄や資源株などが利益確定売りに押される一方で、電鉄株や通信株、建設株などの出遅れ感の強い内需株が買われているということは、市場の雰囲気が悪い、つまり買い気に乏しいということではなく、小型銘柄の上昇などもそうですが、「買える銘柄」を探しているということは市場の回復が見られるということなのです。

 物色対象が広がるということは買い方の回転が効いているということにもつながり、回転が効いていることがまたセンチメントの好転に繋がって市場全体の雰囲気の改善となっているということでしょう。市場の雰囲気にばかり流されてもいけないのでしょうが、潮目の変化、雰囲気の変化は敏感に感じておくことも必要なのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.