米国株が大幅下落となった割りに持高調整の買いなどもあって堅調な展開サブタイトル 清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年06月17日 15時29分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株が大幅安となり、日本市場も昨日に続き軟調な展開も予想されましたが、朝方から値ごろ感からの持高調整と見られる買いもあって、堅調となりました。出遅れ感が強い銘柄を物色する動きと、逆に値持ちが良いことから買戻しを急ぐ動きがあったような銘柄が買われ堅調となりました。投資信託の設定にかこつけて環境関連銘柄がテーマ的に買われ、目先の需給に振らされながらも堅調となりました。

 今日の動きも「不可解」と感じた人も多いのではないかと思います。電池関連銘柄を中心に環境関連銘柄が軒並み大幅高となったかと思うと一方で出遅れ感が強い内需株などが買われ、また、米国では石油関連銘柄が軟調となっていたのですが、石油関連銘柄なども高いといった状況でした。一つには昨日の大幅下落を見て持高調整の買いが入ったことも堅調となった要因なのでしょうし、目先筋が買い戻しを急いで値を飛ばしたものもあるものと思います。

 目先的な信用取引の動向に振り回されているような面もあり、いわば「合成の誤謬」のような格好となっているようです。買われすぎとされて空売りが積み上がると買い戻しが入って下げ渋り、下げ渋るものだから空売りも入り易く、空売りが積み上がるので買い戻しが入るというような状況もあるのではないかと思います。一言で片付けると「買い方の回転が効いているだけ」と言うことなのでしょうが、昨年来の下落相場に慣れた向きにはどうしても空売りをしたくなって来るのでしょう。

 以前もこのコラムで述べましたが、相場のトレンドの変化などはそうした「当たり前」のことが当たり前でなくなったときや儲かるものが儲からなくなって来たときに起きるものなのです。日経平均が9500円の節目を抜けたことで、売り方が儲かる、と言う「常識」が変わりつつあるのかもしれません。そうした相場の変化に敏感に反応したいものです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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