昨日の大幅下落の反動などに反応するものの、上値の重い展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年06月19日 15時52分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 為替が円安となったことや外国人の売買動向などを見ると昨日のような持高調整の売りがかさむとは思われなかったのですが、買いも少なく週末の先物へのヘッジ売りなどに押される展開となってしまいました。一部非鉄株やハイテク銘柄や自動車株の一角には持高調整と思われる売りが続いており、指数を押し下げる要因となったようです。週末と言うことで目先筋の買いも手控え気味となったことで、上げが加速されず、上値が重くなったことも嫌気売りを誘ったものと思います。

 市場参加者の種類を見極める話を述べましたが、相場を読む上で「誰が何をしているのか」を知ることは非常に大切なのではないかと思います。特に、手数料が自由化され、インターネット取引がさかんに行われるようになると従来以上に投機的な動きが多くなりました。また、それ以上に信用取引が簡単に出来るようになり、「買ってから売る」と言う投資家(投機家?)と同じように「売ってから買う」と言う向きも多くなったのです。

 先物の取引なども気軽に出来るようになり、相場のかく乱要因となっているのではないかと思います。かつては「仕手筋」といったようなはっきりとした買い手や売り手がいたのですが、今は一方向に動きが出て、その動きを見た投機家達が意図せずに一斉に動くことでまるで、「仕手筋」として、一手の買い手や売り手のようになってしまうこともあるのです。

 そうした抗い難い流れは長続きするのか短期で終わるのかも「終わってみなければわからない」と言うような部分もあり、相場の見方を難しくしているのではないかと思います。ただ、そうした流れも自然の流れ、本来の流れにいずれ戻ることには違いなく、大切なのは慌てずに冷静に、「どういう状況なのか、誰が何をしているのか」を把握して対処することではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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