原油安でダウ平均は軟調。ただナスダック指数はハイテク銘柄が高く大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年06月22日 08時35分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>8539.73▼15.87

<NASDAQ>1827.47△19.75

<為替:NY終値>96.2-96.26

原油安に引きずられダウ平均は軟調だがハイテク銘柄が高くナスダック指数は大幅高

 特に材料視される経済指標の発表もなく、原油価格の上昇を好感するかのように前日までのもたつきを払拭するかのような始まりとなりました。ただ、原油価格の上昇が一服、利益確定売りに押されて軟調となると、石油株を中心に下落、ダウ平均は軟調となりました。一方で投資判断の引き上げや値ごろ感などから、個別に買われるものも多く、特にハイテク銘柄は堅調となり、ナスダック指数は大幅高となりました。景況感や経済指標に一喜一憂する展開が一服となり、個別の材料で物色されました。

 引き続き全体としての景況感の悪化は見られないものの好転も見られず、個別に反応する展開となりました。それでも投資判断を引き上げたり、新たに投資判断を開始したりと信用収縮の動きは一服となり、商品市況の好転でもわかるようにリスクに対する許容度も上昇しているようです。こうした投機的な動きが進むなかで後は景気の回復、つまり企業の設備投資や個人消費などが伸びてくるかどうかという金融相場から業績相場の移行がうまく行われるのかどうかということなのでしょう。

 個別には大手証券が買い推奨リストに入れたことを好感してマイクロソフトが買われ、新規に投資判断を「買い」で開始したシティグループが買われ、連れてJPモルガンチェースやバンクオブアメリカも高くなりました。原油価格の下落を受けてエクソンモービルは軟調、前日に大きく上昇したクラフトフーズやコカコーラなどは反落となり、6−8月の利益見通しが予想を下回ったリサーチインモーションは大幅下落となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は前日までの持ち高調整の売り一巡から買い戻しなども入り堅調となりました。為替も円安に振れたこともあり、一時大幅高となる場面もありましたが、週末の手仕舞い売りやヘッジ売りもかさみ、上値の重い展開となりました。積極的に買い上がるような動きは少なかったのですが、逆に売り叩く動きもなく、持ち高調整の売り買いもあって方向感のない展開となりました。

 先週は持ち高調整の売りも多く下値を試すような展開になりましたが、今週は少しは落ち着いてくるのではないかと思います。本日も週末のヘッジ売りの買戻しなども期待され、堅調な地合いとなってくるのではないかと思います。為替も落ち着いており、海外市場でも特に売り急がなければならないニュースもなく、逆に買い急がなければならない材料もないことから、堅調ながらも上値も限定されるような動きとなってくるのでしょう。持ち高調整の売りに押されるなかでも指数は底堅かったことから、改めて出遅れ感が強い銘柄などが物色されるのではないかと思います。持ち高調整で大きく売られた商社株や非鉄株などは原油価格が軟調となっていることで、まだ上値も重いかもしれません。

 日経平均はなんとか9700円から800円という水準を保っています。過熱感は依然として強く、まだ日柄調整が必要なのだと思いますが、値幅的には底堅さが見られることから、9800円水準を抜けてくる可能性が高く、9800円から10000円でのもみ合いとなるなかで日柄整理が進むことになるのでしょう。まだ、日柄整理が進むか指数を押し上げるほどの好材料=景気回復の兆しが見られれば、一気に心理的な節目である10000円を越えてくることになるものと思います。

本日の注目点

◇4−6月期の法人企業景気予測調査(財務省)

◇4月の第3次産業活動指数(経産省)

◇5月の全国コンビニエンスストア売上高(日本フランチャイズチェーン協会)

◇5月の全国スーパー売上高(日本チェーンストア協会)

◇5月期決算:ツルハHD(3391)

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