ちぐはぐな展開だが、買戻しの動きもあり堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年06月22日 15時56分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 目先的な過熱感が強いことや円高となったこと、また外国人売買動向も売り越しと伝えられた割りには堅調となりました。前場は持高調整と見られる売りもあって軟調となる場面も多かったのですが、後場に入ってからは売り一巡感から買戻しを交え、堅調となりました。公共投資に対する期待から建設株が高く、ディフェンシブ銘柄を物色する動きや出遅れ感が強いもの、売られ過ぎのものも買い直されて後場に入ると堅調となりました。

 ここのところ、ちぐはぐな展開が続いています。TOPIXの算出に絡む持高調整や6月決算のファンドなどの手仕舞い、持高調整というのも多いようです。過去の暴落の値幅や値下り率、そして値下りの期間などから、底入れがまだ先になるという見方もあるようです。それでも、ITバブル時の高値から安値までの下げ率、20800円(2000年4月)から7600円(2003年4月)の約63%と今回の下げ率、18300円(2007年の2月、7月)から7000円(2008年10月、2009年3月)の約62%とほぼ同じと考えてもよく、値幅的には調整が終了したと見てもいいのでしょう。

 2003年の4月までの下落が3年かかったので今回は短いという議論もありますが、値幅的に終了し、後は日柄での修正と考えて良いものと思います。2003年4月の安値から結局、2000年4月の高値までは結局戻りきらなかったのですが、途中、2005年の8月から2006年の4月までは強烈な上昇相場となったのですが、それまで2003年の9月くらいから2年近くもみ合い相場となったことで、抜けた後の動きが強烈なものとなったのです。

 これまでの下落日数の問題と言うよりは、景気の悪化で売られたにしても7000円と言う水準が売られすぎの水準とすれば、いったんは適正な水準に戻ってもみ合いとなり(景気も株価も底入れ確認=9500円水準から11000円水準?)、その後、少なくとも、景気の回復が確認できる、あるいは兆しが見られるところで、一段上の水準(12000円台後半から14500円水準)まで戻るという展開になって来るのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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