前日の大幅下落の反動から堅調だが持高調整の売りは続き上値も重い清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年06月24日 15時52分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場は軟調となりましたが、日本市場は外国人売買動向が買い越しと伝えられたことや為替も円安に振れたことなどから堅調となりました。持高調整の売りが続き軟調となる場面もあったのですが、昨日同様に後場に入ると持高調整の売りも一巡、買戻しなども入って堅調となりました。

 目先的な需給に振らされる展開は続いています。世界的に景気底入れは確認できても回復というところまではいかない、と言うことで、各国の政府、金融当局、また個々の企業も四苦八苦しています。そうした中で、いかに「モノ」を売るかということになるのですが、小売業は多くの企業が「値下げ」を考えているということが新聞に載っていました。

 値下げをすることで販売を増やし、売り上げが増えることで利益を出そうということなのでしょうが、本当にそうした戦略は正解なのでしょうか。確かに所謂「勝ち組」と言われる小売業の中には「安売り」を武器にしているところが多いと思います。ただ、「安売り」をしてもバーゲンを前倒ししても売り上げの伸びないところは伸びないのです。

 つまり、ただ単に「安い」と言うだけではなく、それ以上の「付加価値」が必要なのでしょう。ファッション性が高い衣料とか、安いだけでなく「おいしい」外食などもあると思います。逆に「安売り」とは一線を画して値下げをせずに5月まで既存店売上高が7ヶ月連続で前年実績を上回るようなモスフード(8153)のような企業もあり、株式投資も同じですが、それなりのポリシーやスタイルをしっかりと確立しているところが強いということなのでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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