前日の大幅高の反動や週末の手仕舞い売りもあって上値は重い清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年06月26日 15時49分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株が大幅高となったことから買い先行となりましたが、週末の手仕舞い売りなどもあり、上値の重い展開となりました。為替が円高方向に振れたことも輸出関連銘柄などの利益確定売りや見切り売りを急がせる格好となり上値を押さえる要因となったものと思います。一方で、先物には週末の手仕舞いの買い戻し、あるいはヘッジと見られるまとまった買いが散発的に見られ、指数を押し上げる場面もあり、強含みの展開となりました。

 あいかわらず新聞の報道などで「アジア株が高いから日本株が上がった」というような記事も見られますが、移動平均線などの見方も含めて所謂「後付講釈」となることが多いような気がします。昨日も述べたように、上がるときは上がるべくして上がり、下がるときは下がるべくして下がるので、その下落の理由は一言では語れないことが多いのではないかと思います。

 昨日の上昇も「先物の買戻しだけ」と言って上昇を評価しない向きも多いように感じましたが、その買戻した理由をよく考える必要があるのではないかと思います。日経平均が9500円と言う昨年からの高値となっていたところを抜けて、底入れ確認となり、10000円と言う心理的な節目を抜けたことから達成感が出て調整となった状況です。こうなると9500円から10000円の間での動きとなるのではないかと考える向きがとても多くなるのです。

 こうした範囲が想定されたときには安値圏になると「割れるか割れないか」と言うことが問題になり、「割れない」と分かると買戻しなどが一気に入る可能性があるということなのです。3月に7000円の安値をつけたときも昨年10月安値水準である7000円を割れるか割れないか、と言うときに「割れない」と思う人が多くなると一気に戻し、そしてますます「割れない」と思う人が多くなるのです。ちょうどそれと同じことが今起きており、9500円を割れるか割れないか、10000円を抜けるか抜けないか、はっきりすると一気に方向が定まるということなのです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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