米国株高や円高一服、お化粧買い期待も強く大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年06月30日 16時09分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株高や為替が米ドルに加えてユーロでも円安となったことなどから買い先行となりました。心理的な節目と見られる日経平均10000円を意識する水準でもあることや月末のお化粧買い期待もあって、寄り付きから大幅高その後も戻り売りをこなしながら堅調となりました。10000円を超えたところでは達成感や買い一巡感から売られたものの大きく売り叩かれることもなく、その後は小動き、上値の重い展開となりました。結局はお化粧買いは入らず、大幅高ながらも上値の重い展開となりました。

 日経平均は再び10000円をつけましたが、この「10000円」と言う水準は高いのでしょうが?安いのでしょうか?おそらく、昨年の今頃であれば、米金融機関に様々な問題を抱えているなかで、日経平均10000円どころか、12000円でも「安い」と言う感覚ではなかったかと思います。もちろん、ここまで景気が悪くなると思われておらず、実際に企業決算も今とは比べ物にならないようなものでした。

 ただ、業績面での感覚と、株価の動きだけの感覚というのは明らかに違い、「高い」「安い」と言う以前の問題で「10000円は売り」と言う印象となっているものと思います。目先的には9500円から10000円のもみ合いと見ている向きも多く、どの銘柄がけん引しようが足を引っ張ろうが9500円で買って10000円で売るということになるのでしょう。

 こうしたときは、指数をみることも大事ですが、やはり指数の構成銘柄、市場全体の動きをしっかりと把握する必要があるでしょう。10000円をつけることも単に値がさ銘柄が上昇するだけ、あるいは値がさ銘柄の買い戻しで指数を押し上げるという状況なのか、全体として業績回復が期待されるなかで「安い」と感じるのかを見分けることが必要ではないかと思います。4月までの上昇と違い、9500円を超えてからの上昇は買い戻しだけではなく、幅広い銘柄に買いが入っており、こうしたときは10000円を意識するというよりは心理的な節目を抜けてまで、「買えるか買えないか」と言うことではないかと思います。そういう意味ではここからは経済指標の悪化、幅広い業種での業績悪化が見られない限り「買える」と言うことなのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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