週末は底堅さが見られたが本日は特に材料がないなかで大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年07月06日 15時55分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
前のページへ 1|2       

明日の相場雑感

 週末の米国市場は休場となりましたが、世界的な景気回復の遅れを嫌気するかのように大幅下落となりました。為替が円高に振れたことで信用収縮懸念が強まったことで手仕舞い売りや見切り売りがかさんだものと思われますが、米国での景気回復云々というよりは、好材料への反応が鈍いことやディフェンシブ銘柄などが堅調となっていることを見ると、持高調整の売り買いが見られ、その動きの一環で為替が円高に振れたということなのかもしれません。

 選挙結果の報道を見て、思ったのですが株式市場と同じで結果を見て、原因を追究するということをすると本来の原因でなかったものがあたかも本当の原因であったように思って疑わないことが多いのではないでしょうか。自民党だから、民主党だからと言う議論ばかりが先に出ていますが、違う見方をすると同じ結果でも原因が違うことに気が付きます。今回の首長選挙の流れも宮崎県での成功以来、従来型の官僚や政治家による政治ではなく、所謂「素人」であることが当選の原因となっているのではないかと思います。

 株式市場でも特に材料が見当たらないなかで売られているようなときは「アジア市場が安いから」などと理由をつけたがるものなのですが、最近の相場を見ていると、外部環境云々と言うよりはむしろ目先的な需給要因でまず、動きがあって、その動きを説明するために「円高を嫌気した」ということになるとその原因とされることを見て輸出株を売る、というような動きが多いのではないかと思います。その時々で注目される「原因」が違い一生懸命理由を見つけては目先的な動きに右往左往しているような気がします。

 本日の相場でも日銀総裁の「景気は底入れした」と言うコメントや韓国開発研究院というところも景気は底入れしつつあるというようなコメントには何の反応も示さず、中国での暴動のニュースにも反応は限定されているようです。それだけ、分かり易いニュースや一部の需給だけを見て、全体にあてはめてしまい、あたかもそれが本当の原因であったかのように思われてしまうのではないかと思います。ただ、そういった動きは一時的であることが多く、目先的な動きが一段落すれば本来の動きに戻るものと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.