米国市場は底堅さも見られたのだが大幅円高を嫌気して軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年07月09日 16時00分 公開
[清水洋介,]
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明日の相場雑感

 信用収縮の動きは止まらず、為替に大きな動きがありました。日本市場では大きな動きにならず、逆に円高一服となったことで株価も底堅さが見られましたが、どこまで売りが続くのかはっきりしないなかでは積極的な買いは入り難く、戻りも限定的となりました。一応節目では下げ渋ったものの、戻り相場を期待するほどのものでもなく、買い気に乏しい相場でした。

 ここへ来て買い方のセンチメントが一気に萎んでしまった感じです。今日は昨日まで堅調となっていたディフェンシブ銘柄も売られ、一部売られすぎ銘柄が買い戻しで堅調となってはいたのですが、何とも盛り上がりに欠ける相場展開となっています。買い方の回転が効いていると思われていた小型銘柄の上昇も一服となって、相場も一休みとなっているようです。

 先日も「チャートを作る」と言う話がありましたが、チャートを簡単に作ることが出来るのであれば昨日も底堅い展開となったのでしょうし、昨日も今日も大幅安で寄り付いた後に切り返して終われば、しっかりと戻り相場となったものと思われます。切り返さなかったことで続落となったのですが、買いが続かなかった、あるいは売りが大量に良いタイミングで出て来て切り返さなかったことで、「底はまだ先」ということを示す結果となったのでしょう。

 9500円という節目で下げ止まらなかったことで、相場の盛り上がりがないのか、盛り上がらない相場だから節目をあっさり割り込んだのかというのはどちらともいえず、逆にどちらとも言える、ことなのかもしれません。ただ、いずれにしても盛り上がる盛り上がらない、ということは目先的な動きということであり、そうした目先的な需給に振らされている相場ということなのでしょう。それだけ目先的な動きばかりを気にして、先を読もうとか先を見て売り買いしようと言う市場参加者が少ないといことであり、先を読んで投資をするのであれば逆に目先的な動きは気にしない方が良いということなのです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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