信用収縮の動きが続き、方向感のないまちまちの展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年07月13日 08時53分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>8146.52▼36.65

<NASDAQ>1756.03△3.48

<為替:NY終値>92.5-92.56

底堅さも見られるものの信用収縮の動きが続き方向感のないまちまちの展開

 決算発表を控えて積極的な売り買いに乏しい中で引き続き信用収縮懸念が根強く、原油価格など商品市況が軟調となると株式市場も売り優勢となりました。さすがに投資判断の引き上げに敏感に反応するなど値ごろ感からの買いも見られましたが、買い急ぐ動きはなく指数の上値も重くなりました。午前中に発表になった消費者信頼感指数も下方修正、予想を下回ったことから個人消費の回復が遅れているとの見方から全般的に買い手控え気分も強まったようです。

 景気回復の遅ればかりが取りざたされていますが個別の企業業績は着実に底入れから回復となっているのではないかと思います。ただ、景気回復を先取りするかのように投機的な資金が動いたところが調整となっているのではないでしょうか。投機的な資金の先走りに景気回復、特に雇用がついてこないことが問題であり、投機的な資金の流れがミニバブルを引き起こしていることを容認できるかどうかということなのでしょう。政府金融当局がこの動きをある程度容認し、景気を牽引すると見るのであれば再び商品市況が上昇、株式市場も上昇に向かい、景気の回復を促すことになるのかもしれません。

 個別には前日の引け後に慎重な業績見通しを発表したシェブロンが軟調、原油価格の下落を受けてエクソンモービルも下落となりました。JPモルガンチェースも前日の反動もあって軟調、投資判断の引き下げのあったIBMも下落となりました。一方で投資判断の引き上げのあったアップルが高く、同様にデルも高くなりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場はオプションSQ(特別清算指数)算出に絡む買いもあって買い先行で始まったものの、週末の手仕舞いの売り買いが交錯するなかで引き続き持高調整、信用収縮からの売りが続き軟調な地合いが続きました。最後まで買い気に乏しい展開尾となり、ヘッジ売りなどもかさんで小幅安、8日続落となりました。売り飽き気分もあって底堅さも見られるのですが、買い急ぐ動きも見られず、値を保つことが出来ませんでした。

 週末の米国市場も相変わらず信用収縮の動きから、軟調な地合いとなったことで、日本市場でも軟調な展開となりそうです。ただ、売り飽き気分が出ていることに加え、値ごろ感からの買戻しもそろそろ期待され、底堅さも見られるのではないかと思います。原油価格などがまだ売られており、リスク許容度の低下は免れないのでしょうが一方で売られすぎとなっている銘柄も多くなっており、大きく売られていた商社株などの反発、あるいは値ごろ感からのディフェンシブ銘柄の買いなどは期待されます。

 日経平均は節目と見られる水準を次々と割り込んでしまっていますが9000円と言う節目の前に9300円水準、一目均衡表の雲にサポートされるような展開になるのかどうかというところです。TOPIXは雲の中での動きとなっており、米国市場でもダウ平均は雲の中での動きであり、ナスダック指数は雲にサポートされという状況で「ぎりぎり」のところでの攻防という感じです。それでもさすがに急激に9000円水準まで下落するようなことになれば調整一巡として達成感も出てくるものと思われ、そろそろ反発となってもいいところではないかと思います。

本日の注目点

◇7月の月例経済報告(内閣府)

◇6月の消費動向調査(内閣府)

◇5月の鉱工業生産指数確報(経産省)

◇6月の米財政収支

◇決算・3−5月期:良品計画(7453)、オンワードHD(8016)、松屋(8237)

◇決算・4−6月期:韓国ポスコ

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