決算期待から信用収縮も一段落で大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年07月14日 08時37分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>8331.68△185.16

<NASDAQ>1793.21△37.18

<為替:NY終値>92.88-92.94

値ごろ感からの買いに加え、投資判断の引き上げ、決算期待から信用収縮も一段落で大幅高

 決算発表の本格化を前に値ごろ感からの買戻しなどもあって大幅高となりました。きっかけは金融株への投資判断の引き上げですが原油など商品市況も投機的な上昇分がはげたと見られることやダウ平均の8000ドルを意識する水準での底堅さなどから買戻しを急ぐ動きもあって大幅上昇となったものと思います。バーナンキFRB(連邦準備理事会)議長が「雇用なき景気の回復の可能性を示唆したことで、雇用統計の発表をきっかけに景気回復の遅れが指摘され、信用収縮懸念につながったことから、景気回復期待につながり、買戻しを急がせたものと思います。

 決算発表が本格化する前に手仕舞いの買戻しとも見られましたが、足元の業績には底入れ感が強まっていることから決算に対する期待もあるようです。実際にアナリストの予想なども売られすぎとみてきるものも多いようです。商品市況、原油先物の動きが鈍いことで投機的な資金の収縮が懸念されますが、底堅さも見られ、原油価格自体も投機的な部分がはげたと見られることから、先安懸念は残るものの取りあえずは信用収縮懸念も薄れたものと思います。

 個別には決算発表を前に投資判断の引き上げのあったゴールドマンサックスが大幅高連れて、バンクオブアメリカやJPモルガンチェースなど金融株が軒並み大幅上昇となり、指数を押し上げました。GE(ゼネラルエレクトリック)も金融株の側面から買われ大幅高となり、キャタピラーなど景気敏感株も堅調となりました。決算発表を控えたインテルやマイクロソフト、IBM、などハイテク銘柄も軒並み堅調、原油価格は軟調となりましたが、値ごろ感からの買戻しもあってシェブロンやエクソンモービルの石油関連銘柄も高くなりました。ただ、引け後にデルが粗利益率の低下見通しを発表、軟調であった株価も時間外取引で一段安となっています。

本日の相場

日経平均

 週明けの日本市場は引き続き持高調整、信用収縮の売りが続いているなかで、政局の混乱を取りざたして売り材料とするような動きもあって大幅下落となりました。値ごろ感からの買戻しが見られるような場面もあるのですが、決定的な買い材料に乏しいだけになかなか買い気も盛り上がらず、戻りが限定されると戻りの鈍さを嫌気する売りもあり、そうした売りを見るとますます買い気に乏しくなり、指数を押し下げて、見切り売りがかさむといった悪循環となっています。さすがにそろそろ底堅さも見られそうですが、一つ二つ市場全体を押し上げるような、買い急ぐような好材料が欲しいものです。

 米国市場が大幅高となったことや為替も対米ドルだけでなくユーロなどでも円安となったことに加え、昨日の大幅下落の反発から堅調な展開が期待されます。原油価格などの商品市況も底堅さが見られ、信用収縮からの持高調整の売りも一巡となった感もあり、日本株への売り圧力も緩和されるものと思います。ここまでの下落の中心となっていた商社株や非鉄株などの反発、海運株などの見直しやハイテク銘柄、自動車株、機械株などの輸出関連銘柄などのは反発も大いに期待されるところです。

 日経平均は9000円を意識する水準まで下落となったことで、下落に対する達成感が出る可能性もありそうです。瞬間的に割り込む場面があっても、底堅さは見られるものと思います。一目均衡表の雲の下限水準でもあり、為替や商品市況ともに戻りを試す展開となることが期待されます。10000円を超えたところからの下落の半値戻しがちょうど節目と見られる9500円水準であり、とりあえず、9500円水準までの戻りを試すことになるのでしょう。昨日の下落分を本日、一気に取り戻せるのかどうか、それだけ空売りが積み上がって、買戻しが期待出来るのかどうかが注目されます。

本日の注目点

◇日銀政策委・金融政策決定会合(15日まで)

◇6月と09年上半期の首都圏・近畿圏マンション市場動向(不動産経済研究所)

◇6月の米小売売上高

◇6月の米卸売物価指数

◇決算・4−6月期:米ゴールドマン・サックス、インテル、ジョンソン・エンド・ジョンソン

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