米国市場が大幅高となったことや前日の大幅下落の反動で大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年07月14日 16時06分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株が大幅高となったことから10営業日ぶりに大幅反発となりました。米国市場で金融機関の投資判断が引き上げられたことで、決算に対する不安が薄れ、信用収縮懸念から売り急いでいた向きの買い戻しも入り買い先行となりました。ただ、これまで底堅い堅調な動きとなっていたディフェンシブ銘柄などが売られ戻りも限定的となりました。底堅さを確認して買い直されるような場面もあったのですが、買い切れないという感じです。

 連続下落記録などを調べだすと下落も止まるということはバブルに対する懸念があるうちはバブルの天井はつけず。バブルを気にしなくなるとバブルの天井をつける、などということはよくあることで、今回も「まだはもうなり、もうはまだなり」ということで反発となりました。ただ、前日の下げ幅を取り戻すところまではいかず、為替の戻りも鈍いものとなりました。

 10日ぶりの反発となりましたが、何がどう変わったわけでもなく、引き続き目先的な需給に振り回されていることには変わりなさそうです。自動車株なども中国での増産やハイブリッド車に注力する動きを評価する動きで買いが入っているのでしょうが、そうした材料や為替の動きに今一つ連動性がないような気もするのです。PBRの低さなどを取りざたするコメントも見られましたが、PBRの低さは今に始まったことでもなく、つまるところ信用収縮懸念からの売りに追随した目先筋の買戻しが入って堅調なものが多いということなのでしょう。

 また、最近のように先物や信用取引が非常に簡単に行われるようになると「追証」がかかるような昨日の場面では売りが売りを呼ぶことになるのでしょうが、本日のような相場では買戻しが一巡すると上値を買い上がる向きもいなくなってしまうということなのでしょう。本日のディフェンシブ銘柄の軟調なことも「本当の投資家」の買いが入っているということでなく、まだまだ市場参加者も目先的な動きを追うような参加者ばかりということなのかもしれません。日米の決算動向がはっきりするなかで、腰の据わった買いが入って来るのかどうか、大いに注目されます。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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