米国株高を受けて買い先行で始まるも相変わらず上値は重い清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年07月17日 15時49分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9395.32円 △51.16円
売買高 16億4389万株
日経平均先物 9380円 △50円
売買代金 1兆0246億円
TOPIX 878.29 △6.04
値上がり銘柄 1030銘柄
東証マザーズ指数 433.23 △11.50
値下がり銘柄 531銘柄
日経ジャスダック平均 1181.23円 △3.00円
変わらず 138銘柄
騰落レシオ 88.14% △0.05%

日経平均

米国株高を受けて買い先行で始まるも相変わらず上値は重い

 米国市場が連日の大幅高となったことを受けて買い先行となりました。前日と同様に為替が円高傾向にあることから寄り付きの買いが一巡した後は本日も上げ幅を縮小する展開となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が引き続き買い越しと伝えられましたが、3連休を控えた週末ということもあって、手仕舞いの売り買いが中心で積極的に買い上がるような動きはありませんでした。ただ、昨日と同様に押し目ではしっかりと買戻しや値ごろ感からの買いも入り上げ幅縮小とはなったものの堅調な展開が続きました。

 後場に入ると買戻しを急ぐ動きが一部の銘柄に見られ、戻り歩調となる場面もありました。それでも9400円を超えるところでは買いも止まり、今度は上値の重さを嫌気すると手仕舞い売りに押されるといった状況でした。結局、最後まで方向感のない展開が続き、最後は週末のヘッジ売りや手仕舞い売りがかさんで上げ幅を縮小して終わりました。手仕舞いの売り買いが中心であったことで、昨日まで売られていたディフェンシブ銘柄や内需関連銘柄、商社株などが高く、ハイテク銘柄や機械株、非鉄株などが軟調となりました。

 小型銘柄も手掛かり難のなか値動きの良さを好感して、引き続き堅調なものが多く、東証マザーズ指数は大幅高、二部株指数や日経ジャスダック平均も堅調となりました。先物は散発的にまとまった売り買いは見られ、その都度指数を振りまわす場面もありましたが、追随するような動きはなく大きく方向感を出すような展開にはなりませんでした。最後には若干まとまった手仕舞い売りや買戻しも見られましたが、散発的で方向感を出すには至りませんでした。

 相変わらず何となく元気のない相場展開です。リターン・リバーサルと言う動きで指数に方向感はなく、手仕舞いの売り買いが中心となっていたものと思います。景気の底入れは確認できたものの、景気の先行きに自信が持てないだけにどうしても持ちきれないということなのでしょう。このなんともまったりとした、上値の重さを打破するには、当面、米国市場動向に関係のないところで、日経平均9500円を抜けるような「全面高」となるような材料が必要なのだと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 引き続き雲の中で転換線に上値を押さえられました。雲の上昇に合わせて戻り歩調ではあるのですが、上値を買い切れないという感じです。ストキャスティックスは底値圏からの反発となっており、強含みとなりそうですが、RSIはまだ下落余地もあり、上昇をはっきりと示すまではいかず、戻りも鈍いものと思います。節目と見られる9500円を抜けると一気に上昇となるのでしょうが、もう少し日柄の整理が必要ということなのだと思います。

TOPIX

NYダウ

 雲の中での動きですが、雲の上昇に合わせて堅調な展開となっています。転換線に上値を押さえられていますが、ストキャスティックスが底値圏からの反発となっていることやRSIは下落余地はあるものの反発の兆しが見られるなど強含みに推移しそうです。それでも転換線を抜けても基準線に上値を押さえられてしまいそうです。

円相場

NYダウ

 転換線に上値お押さえられ、節目と見られる1ドル=94円と言う水準でのもみ合いとなっています。RSIもストキャスティックスも戻りを試す展開になりそうですが、RSIには下落余地もあることから、今一つ戻りが鈍いものと思われます。この節目である94円水準も抜けても基準線の水準(95円台前半)で上値を押さえられそうで、過熱感はないのですが、戻りも鈍そうで、まだ日柄の調整が必要ということなのかもしれません。

銘柄ピックアップ

内需関連銘柄や商社株が高い

日産自(7201) 569 △14

 中小型車用のハイブリッド技術を開発し、2011年を目処に国内で販売すると新聞で報じられたことから、電気自動車を環境車の本命と位置づけている日産がハイブリッド車市場に参入することは収益基盤が拡大するとの期待が広がり堅調となりました。

日立建(6305) 1458 ▼36

 2009年4−6月期は連結営業利益が50億円前後の赤字だったようだと新聞で報じられ、業績回復の鈍さを嫌気する売りに押されて一時大幅安となりました。主力の油圧ショベルは中国などの新興国需要で持ち直したものの日米欧の落ち込みをカバーできなったかとされました。

菱地所(8802) 1478 △62

 ローン市場の正常化や私募ファンド・REITの投資再開で不動産価格が下げ止まるものと予想されるとして外資系証券が投資は判断を新規に「オーバーウエイト」としたことを好感して大幅高となりました。円高で内需関連銘柄を物色する動きも株価を押し上げる要因となったものと思います。

日立情(9741) 2160 △125

 2009年4−6月期業績が会社計画を上回るペースで進捗、4〜9月期決算の収益上ブレが期待されるとして、外資系証券が目標株価を大幅に引き上げたことを好感して買われ、大幅高となりました。

NEC(6701) 288 ▼28

 資本増強策を検討していると新聞で報じられ、株式価値の希薄化を嫌気した売りに押され、大幅下落となりました。NECは報道に対して決定した事実はないとのコメントを発表したが、公募増資が増えているだけに嫌気されたものと思われます。

旭硝子(5201) 763 △30

 短期の業績上ブレと長期の板ガラスの回復を背景に外資系証券が「買い」の投資判断を再度取り上げたことを好感して買われ、堅調となりました。

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