米国株高を受けて大幅高だが円高を嫌気する動きもあり上値も重い清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年07月21日 16時05分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 相変わらず米国市場が堅調と伝えられたことから、本日も買い先行となり、大幅高とはなったものの今一つ物色対象も絞りきれず堅調ながらも物足りない感じでした。外国人も引き続き買い越し基調となったなかで為替が円高に振れており、「日本買い」になるのかと思われましたが、債券が買われる風でもなく、株価は大幅高となったものの積極的に買い上がるような感じでもなく、引け際に突然持高調整と見られる買いが入り高値引けとなりましたが、何となく盛り上がりに欠ける展開でした。

 衆議院が解散となり、いよいよ選挙モードとなりましたが、日程的には前回の2005年の選挙と近く、日経平均も当時と状況は似ているとも見られます。2005年当時は2003年に底をつけてからの戻り過程で、日経平均は10000円から12000円でのもみ合いが続いていました。そして、衆議院が解散となる直前(8月初め)に節目と見られていた12000円を抜けて、途中一服はあったものの、2006年4月の17500円まで上昇となったのです。

 今回もちょうどここから、10000円と言う節目を抜けてくれば、選挙のタイミングに合わせて一気に上昇となって来る可能性もあり、2005年の再現が期待されます。もちろん当時は「郵政解散」が株価を押し上げたかのように言われていたので、今回とは大きく違うという見方があるのでしょうが、今回も自民党の苦戦が予想され、「変化する」と言う意味では同じかもしれません。

 民主党が勝つと外国人が売ってくる、とか選挙が終わるまで外国人が動けないなどという見方もあるようですが、選挙で動けないのは国内の機関投資家の方が動けないのではないかと思います。各党の政策云々も言われていますが、自民党が勝っても民主党が勝っても、「選挙」をきっかけに節目を抜けるという可能性は高く、その前の段階として、「企業の4−6月期決算や選挙が終わるまでは動かない」と言う見方が強まれば、逆にオプションSQ(特別清算指数)算出に絡んで、2005円年当時と同じように、一気に抜けて来るもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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