米国株高や円安、好調な業績発表を受けて大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年07月31日 16時02分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株が一時大幅高となるなど堅調となったことに加え、日本市場でも好調な決算、「思ったほど悪くない」決算を発表する銘柄が多く、好感する買いが多く見られました。「百年に一度」と言われた景気後退もそろそろ反転に転じたということなのではないかと思います。多分に「気分(センチメント)」の問題といえるのでしょうが、「景気が悪い」というのがいつしか普通になってしまったことで、まだ景気の好転になじめないのかもしれません。

 「高値覚え・安値覚え」と言う言葉があります。高い株価に慣れると少し下がっただけでも安く感じ、安い株価に慣れてしまうと少し上がっただけでも高いと感じてしまうのです。これはよくよく考えないといけないことで、「押し目」と思った下げが実は大きな下落の始まりであった、とか、まだまだ上値が重いからと空売りしたところが、実は節目を抜けて上昇するシグナルだった、などということもあるのです。

 業績発表に対する反応も同様でつも100点ばかりの生徒がたまに80点をとると凄く成績が悪くなったような気がしますが逆にいつも20点しか取れない生徒がたまに60点をとるとずいぶん成績が良くなった気になってしまうものなのです。しっかりと割安・割高の尺度や業績が本当に回復したのかどうか、単なる短期的なあや戻しなのかをしっかりと見極める必要があるのでしょう。

 株価にしても業績にしても一つの手としてはその流れが変わったのかどうか、潮目が変わったのかどうか、を見ることが必要でしょう。目先的なものばかりを見るのではなくトレンドを見たり、周りの環境がどのように変わったかをしっかりと把握したうえで個々の動きや業績を見ていかないと大きな間違いとなってしまうのでしょう。そのためには近視眼的にならず、目先の狭い範囲だけの動きではなく、視野を広げて、大きな世の中の流れや経済情勢などを見ていく必要があるのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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