米国株安や円高にも関わらず出遅れ銘柄を物色する動きで堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年08月11日 16時15分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 手掛かり難のなか、先高期待と目先的な過熱感、またオプションSQ(特別清算指数)算出などへの思惑もあって、先物へのまとまった売り買いが交錯、狭い範囲ではあるのですが、指数も右往左往する展開となりました。それでも現物株には押し目買いもしっかりと入り底堅さが見られ、引けを意識する時間帯には先物へのまとまった買戻しも入り、堅調となりました。

 景気回復が喧しく言われ始めましたが景気の底入れや回復の度合いを測るのも数字に頼り過ぎているのではないかと思います。先日も駐車場の込み具合で個人消費を判断するとか、道路の混雑で景気の回復を実感するという話をしましたが、企業業績にしても株価の変化にしても、景気の回復にしても致し方ないこととは言え、細かい数字にこだわりすぎているのではないかと思います。

 アルゴリズム取引など「デジタル」なものが正確で、「アナログ」なものは不正確とされているようなところもありますが、株式取引や景気動向の見方、あるいは業績回復の度合いを測るものでさえ「職人技」と言われるような「アナログ」なものがとても有効なことが多いのではないかと思います。情報の共有化、誰が見ても分かることというこで、「ゼロ」か「イチ」かとをはっきりさせなければならないのかもしれませんが、株価にしても「いくら上がる」などということよりも「上がるのか下がるのか」が重要なのです。

 そして、景気の回復にしても「回復している」ということを言いたいために何かの数字を持ち出すこともあり、「つじつま合わせ」で数字を後から持ちだすことが多いのではないかと思います。つじつま合わせの数字を持ち出すよりも株価上昇の兆しや景気回復の兆しが表れているものを見つけ出すことがしっかりと「次」の展開に対処できるということではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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