前日の大幅下落や金融緩和継続期待から反発清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年08月19日 08時29分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9217.94 △82.60

<NASDAQ>1955.92△25.08

<為替:NY終値>94.66-94.72

前日の大幅下落や金融緩和継続期待から反発

 前日の大幅下落の反動が期待されましたが、朝方発表になった住宅着工数が予想を下回ったことで上値を押さえるような始まりとなりました。ただ、注目されていた小売企業の決算が予想を上回るなど個人消費の底堅さが示されたことや低調な住宅関連指標の発表で金融緩和継続期待が強まったこともあり、また、その住宅指標も一戸建ての着工件数が伸びているなど好転の兆しも見られることから全体に買戻し意欲が強く、信用収縮懸念が薄れて商品市況も反発となったことで、堅調な地合いとなりました。ナスダック指数は大幅高、ダウ平均は最後は手仕舞い売りに押されたものの一時大幅高となるなど堅調となりました。

 景気回復を織り込む動きと景気回復が確認されて金融緩和の「出口」を懸念する動きとが交錯する格好となっています。景気回復を示す指標も素直に好感する動きと、金融緩和が終了するのではないかと懸念する動きで商品市況の動きなども交えて複雑な動きになっています。ただ、基本的には景気回復を織り込む動きが続いていると思われ、金融緩和が解除されると懸念する向きは一部に過ぎないと思います。住宅指標も底堅さが見られることから、引き続き雇用と個人消費に回復の兆しが見られるかどうかが注目されることになるのでしょう。

 個別にはホームデポやターゲット、サックスなど小売企業に予想を上回る決算を発表するものが目立ち軒並み大幅高となり、高機能携帯電話(スマートフォン)の成長が見込まれるとして目標株価が引き上げられたアップルやリサーチインモーション(RIM)も高く、投資判断の引き上げのあったアメリカンエクスプレスも堅調となりました。商品市況の反発もあり、前日大きく売られた反動からアルコアやキャタピラーも高くなりました。一方、前日の大幅安の中で堅調であったメルクなどディフェンシブ銘柄の一角が「お役御免」とばかりに軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株が大幅下落となった割りに堅調となりました。前日の大幅下落で既に下落を織り込んでいたことや為替が円安に振れたことで輸出関連銘柄などが底堅く、また米国市場でもディフェンシブ銘柄の一角が堅調であったことから、通信株や電鉄、電力株などが堅調となり、指数を下支えし、押し目を確認する格好となりました。先月末に空けた「窓」を埋める形で下値を確認できたことで底入れ感も出たものと思いますが、まだ目先的な過熱感は強く、値幅整理は済んだとしても日柄整理が必要ということでしょう。

 米国株高を受けて日本市場も堅調な地合いが期待されます。昨日も底堅さが見られたことで下値不安は薄らぎ、為替も落ち着いていることから、大きく売られたハイテク銘柄や自動車株、機械株は戻りを試す動きとなるものとも思います。原油価格や貴金属価格なども反発となったことで、非鉄株や商社株なども反発が期待されますが、相場全体の過熱感は未だに強く、上値も限定的となるものと思います。ディフェンシブ銘柄などは再び乗り換えの対象となって上値も重くなりそうで、主力株の戻りが一巡した後は目先的に材料のある銘柄に物色の矛先が向かうことになるのではないかと思います。

 日経平均は先月末の「窓」を埋める格好となり、TOPIXは「窓」の上の水準で下げ止まりました。日経平均も押し目を確認したということになるのでしょうが、騰落レシオなどを見ても引き続き過熱感が強く、いったんは底値固めということで、上値も重いのではないかと思います。あっさりと10500円台に戻して、10500円台を固める動きとなるのか、あるいは先々週のように10200円台半ばの水準で底値固めとなるのでしょうが、まずは10500円水準を目指すことになるものと思います。

本日の注目点

◇決算・6月期:あいHD(3076)、ミヤチテクノス(6885)

◇決算・6月期:豪カンタス航空

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