誠 Styleでも頻繁に掲載している、時計のニュース。高い時計は機構が複雑でメカとして面白いものも多く、記事を見ているとだんだん「思い切って自分でも所有してみたいなあ」と気持ちになってくる。
しかし、実際に高級時計を買ったことがない筆者にとっては、かねて疑問に思っていることがあった。高級時計を使っている人は、不安ではないのだろうか? 腕時計は頻繁に着脱するもの。例えば机の上に置いておいて落としてしまった、とか、ぶつけてしまった、ということはよくありそうだ。うっかりして時計が壊れたら、高い時計ほど修理代も高いのではないだろうか。家電製品などと同じように、メーカーやショップの保証という制度はあるのだろうか?――そんな疑問を抱いていたのだ。
実は、高級時計を対象とする保険がある。「GMC(グレッシブ・メンバーズ・カード)」(参照リンク)は、入会金1万2600円で5年間有効という時計専門の保険サービスだ。水が入った、ゼンマイや革ベルトが切れた、ガラスを新品に交換といったメーカー保証外の事故が起こった場合、1回1000円で何回でも修理できる。全損した場合も、購入して1年以内であれば購入金額を100%補償してもらえるという。2006年6月にスタートした仕組みで、現在会員は約3万2000人いる。
条件は、Gressive加盟店で5万円以上の時計を購入すること、そして時計の購入時にGMCに加入すること(購入後の入会は不可)の2点。会員向けの補償サービスという位置付けで、会員には季刊誌『Passport』が20冊(5年分)送付されてくる。
「時計の保険」を思いついたのはなぜか、そして実際にどんな人が使っているのか? GMCを運営するベストナビドットジェーピーカンパニーに話を聞いた。
「“高級時計の保険”を思いついたきっかけは乗用車用の車両保険だった」と話すのは、ベストナビドットジェーピーカンパニーの榎本勝之社長。「クルマにもメーカー保証は付いていますが、期間内に壊れて使うことはまずないですよね。不思議と、期間が終わったとたんにクルマをぶつけたり壊したりして、車両保険のお世話になるわけです。以前、私は時計の小売店をやっていて、お客さんが『時計が壊れた』と持ち込んでくるのをよく見ていたのです。それで『時計にもクルマの車両保険のようなものがあれば便利なのでは』と思い、ビジネスを立ち上げたのがGMCです」
時計にもメーカー保証はあり、その範囲内であれば、ユーザーは修理料金を負担する必要はない。しかし腕時計でメーカー保証の対象になるのは、自然故障の場合のみ。「ユーザーが何もしていないのに壊れてしまった」ケース以外は、ユーザーが修理代を負担しなくてはいけないのだ。
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