高級時計専門の保険って、知ってる?(2/4 ページ)

» 2009年08月24日 11時00分 公開
[吉岡綾乃Business Media 誠]

 「お客さんは『何もしていない』とおっしゃるんですが、そして、本当に何もしていなくて壊れたのならばメーカー保証の対象になるのですが、そんなことはまずありません。中を開ければ、何かしたから壊れたということは一目で分かります。

 腕時計の故障で一番多いのは、落としたりぶつけたりといった事故。また、水が入ってしまったというケースも多いです。次に多いのは「使い方を間違えた」というパターンです。手巻き式時計の場合に多いのですが、針を置く位置を間違えて巻いてしまったり※、力を入れすぎて竜頭が抜けてしまったり、という故障ですね」(榎本氏)

※手巻き式時計の場合、針を正しい位置に置いてネジを巻かないと、時計を壊してしまうことがある。

 こういった故障の場合、ユーザーは自分で修理代金を負担することになる。しかし、高い時計は当然、修理用のパーツも値段が高く、修理代も高く付くことになる。高い時計を買えば買うほど、「万が一」に対する備えが必要になってくるのだ。

 「ですから、高級時計を対象にした保険のニーズがあると考えたのです」

時計の保険を一番利用しているのは30代男性

 そうはいっても高い時計は本当に高い。特に若いうちはお金がない人が多い。保険に入るような高級時計ユーザーは、年配者が多いのでは? と榎本氏に聞くと、意外な答えが返ってきた。

 「GMC会員の男女比を見ると、8割以上が男性です。世代別に見ると、一番多いのは30代(43%)。次は20代(29%)、40代(21%)なんですよ。30代、20代といった若い男性が多いんです」

 なぜ若い男性が多いのか。その理由は“結婚”だという。「男性が女性に婚約指輪を贈りますね。そのとき結納返しとして、高級時計を購入する、というケースが非常に多いんです。また少し前までは、婚約指輪といえばダイヤモンドの縦づめリングが定番でしたが、今は『婚約指輪は付けていられる時が短い』と、男女で高級時計を贈りあうケースが増えているんです」

 ここでいう高級時計とは、一般に10万円以上のものを指す。GMCでは5万円以上の時計の購入が入会対象になるが、GMC会員が持っている時計の平均購入価格は75万円だという。本当に高い時計って売れてるのだろうか? 疑問に思った記者は、実際に現場を見てみなくてはとGMC加盟店を取材してみた。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.