利益確定売りや円高を嫌気する売りに押されて軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年08月25日 16時05分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
前のページへ 1|2       

明日の相場雑感

 昨日の大幅高の反動や利益確定売り、円高を嫌気する手仕舞い売りに押されて軟調となりました。それでも、節目と見られる10500円を割り込むところでは買いが入り底堅い展開となり、電池関連やインフルエンザ関連の小型銘柄には買いも入っていました。手仕舞い売りが一巡したところから値を戻すものが多く、景気回復を織り込む展開となっているようです。

 東証一部の騰落レシオ(25日間の値上り銘柄数を値下り銘柄数で割ったもので80以下が過熱感がなく、120以上が過熱していると見られる)を見ても過熱感があり、いったん利益確定売りを急ぐような場面も見られましたが、材料含みの銘柄で値動きの良い、小型銘柄を中心に買いが入りました。同じ材料でも買われずに見切り売りに押されるものが見られるなど、一応株価材料を見ているものの、実際には値動きだけを見ているような感じです。

 どうしても値動きの良い銘柄ばかりに目が行ってしまい、株価材料そのものよりも値動きが重視されてしまいます。株を買うとすぐに上昇しなければ気が済まないような目先的な投資(投機?)が中心となっており、いくら好材料があっても値動きが悪いと買われないということが多いみたいです。ただ、いつもこのコラムで述べていますが、皆と同じことをやっていては皆と同じだけしか儲からず、しかも圧倒的に儲かっている人よりも損をしている人が多いのが実情なのです。

 ですから、値動きの良い銘柄=皆が買っている銘柄を買い上がるよりは皆が見向きもしない銘柄、あるいは「今日は見向きもされていない銘柄」を明日のために買っておく、と言うのもいいかもしれません。「いつ上がるか分からないものは買えない」と言うことなのでしょうが、急がば回れではないですが、同じ材料で買われない銘柄もその材料が続く限りはいつか見直されるのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.