米国株高を受けて利益確定売りをこなして大幅高、年初来高値更新清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年08月26日 17時13分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場が堅調となったことから買い先行となり、利益確定売りに押されて上値の重い場面も見られましたが、後場に入ってから一段高となり年初来高値更新となりました。本来であれば景気回復、業績回復を織り込む格好で高値更新となるべきなのでしょうが、先物主導で目先筋中心の中での高値更新であり、今一つ実態が伴っていないような雰囲気です。為替の落ち着きや中国市場ばかり気にするような動きがなくなれば本格的な戻り相場となるのでしょう。

 市場への反応も目先的な動きが中心となっているようです。腰の据わった買いが見当たらないというか、材料含みの銘柄でも妙に反応が鈍く限定的となるものが多く、「○○関連」と言われても長続きしないものが多いようです。昔の相場であれば、例えば産金相場であればしばらくは産金株が騒がれ、抗がん剤がどうしたといえば「がん関連銘柄」を買いつくすまで買われたものです。(良い悪いは別にして)

 最近では目先的な値動きばかりを気にする向きが多く、買ったとたんに上がらなければ見切る、買った後にちょっと上がるとすぐに売ってしまうという動きが多いので、どうしても「相場」となることが少ないものと思います。インフルエンザ関連にしても「市場」は非常に大きく、まだまだ「市場」が広がる余地も大きく、「とっかえひっかえ」買われても良いと思うのですが、なかなかそうも行かないようです。かといって最後まで持っているようなこともなく目先の値動きばかりを気にしているのではないかと思います。

 今日は中国関連、明日は電池関連などと日替わりで物色されるものが変わるようなことも多く、誰もが「買ったとたんに下がるのではないか」と中長期の投資に疑心暗鬼になり、ますます短期売買が中心となって来るものと思います。本来であれば、インフルエンザ関連などは中国市場とは関係なく、電池関連銘柄でも中国株の動きは関係ないはずなのですが中国株が上がらないと「株を買いたくない」と言う人が多いということなのでしょう。ただ、そうした動き、中国ばかりを気にする動きすら、明日になると関係なくなってくるのかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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