利益確定売りや円高を嫌気する売りに押されて軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年08月27日 16時06分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 「鯨幕相場」(「シマウマ相場」と言う人もいました)が続いています。米国市場が底堅く堅調、為替も海外市場では落ち着いていたのですが、売り先行となりました。外国人も大幅売り越しと伝えられたことで、「今日は安い日だから」と売り急ぐ動きとなったものと思います。先物にまとまった売りが出ると幕間つなぎ銘柄などを物色する動きすらなく大幅下落となりました。

 指数の節目も何もお構いなく「今日は売り」と決めると一斉に売りが出るという感じです。ここのところの動きは7日続けて東証一部の値上り銘柄と値下り銘柄が1000銘柄以上が交互に値下り・値上りとなっています。今日は円高だから輸出株は売られるけれど内需関連銘柄は買われるとか、中国経済の減速が懸念されて機械株の一角や海運株が売られる、などといった動きではなく、今日は指数が高いか安いかだけが注目されているかのようです。

 何度もこのコラムで述べていることなのですが、市場参加者の裾野が広がらないとこのような「つまらない」相場が続いてしまうのでしょう。好悪の材料にも反応は鈍く、先物の動き、指数の動きにつれてほとんどの銘柄が右往左往しているということのようです。引き続き目先的な売買ばかりが幅を利かせているということなのですが、そうこうするうちに上がるものは底堅く、下がるものは上値が重いような動きとなって来るのではないかと思います。

 インフルエンザ関連や電池関連などの材料も長続きしないようでいて、折に触れ取りざたされるわけですから、好材料には相場が安いときに「買い」で反応し、悪材料には指数が高いときに「売り」で対応すれば良いのではないかと思います。目先的な指数の動きに振り回されずにしっかりと大きな流れを掴んでおきたいものです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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