買い先行で始まるも疑心暗鬼な市場は乱高下清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年08月31日 16時06分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 相変わらず目先筋主導、目先的な需給に振り回される展開となりました。衆議院選挙も終わり、少しは落ち着いてくるのかと思われましたが、先へ先へと読みたがるなかで、新政権に対する失望売りのような格好で持高調整の売りも出ていたものと思われます。新政権への期待が逆に景気回復を送らせる可能性も取りざたされており、売り急ぐ場面もあったものと思います。

 株は美人投票のようなものだとよく言われますが、選挙と言うものも株式相場と同じだと思います。前回の衆議院選挙も参議院選挙もそして今回の衆議院選挙も最近の株式市場と同じで、いったん一方向に進みだすと誰もが一斉に同じ方向に走ってしまうようです。今の株式市場でも「皆が買うから」とか、「売り人が多く株が下がるから、自分も売る」というような付和雷同型の相場となっていると思います。

 前回の衆議院選挙でも「郵政民営化」がいいことだと誰かが言い始めると本当に出来るかどうか、いいのかどうかなどを考えずに口々に「郵政民営化」と勝ち馬に乗るような動きとなりました。今回も「政権交代」が本当にいいことなのかどうか、などを考えることではなく、その候補者がいいとか悪いとかではなく、民主党は善で自民党は悪、と言うような雰囲気になったのではないかと思います。

 マスコミもそういった論調で話題を提供し、扇動しているような感じであり、自民党や公明党の言っていることやっていることを全部否定するかのようでした。株式市場も似たようなところがあり、実際には業績が回復している企業でもアナリストなどが間違いや思い込みで投資判断を引き下げた場合には一斉に売られてしまったりするのです。政治の場合は結局は「誰がやっても同じだった」ということになるのでしょうが、株式投資の場合は最後は必ず正しい方向に戻るので、人に惑わされることなく、信念を持って買い向かったり、売り向かったりしてもいい場合もあるのです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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