予想を上回る経済指標に反応して堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年09月04日 08時28分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9344.61△63.94

<NASDAQ>1983.20△16.13

<為替:NY終値>92.62-92.68

予想を上回る経済指標に反応して堅調

 朝方発表になったISM(米サプライマネジメント協会)非製造業景気指数は予想を上回り、ダウ平均の4日続落の反動もあって堅調となりました。寄り付きの買いが一巡したところで、戻り売りに押されて軟調となる場面もあったのですが、小売各社の8月既存店売上高も予想ほど悪くなかったということもあり、値ごろ感からの買いも入って堅調となりました。ただ、雇用統計の発表を週末に控え、新規失業保険申請件数が予想を上回ったことから上値も限定的、最後は買戻しなどもあって切り返しましたが戻り売りに押されて軟調となる場面もありました。

 景況感は改善しており、個人消費の落ち込みも予想よりも小さい感じなのですがまだまだ雇用への不安などもあり、強気になり切れず、金融機関へのちょっとした不安が出ると売られてしまうようです。ただ、原油価格が底堅く、金価格が上昇となっているところを見ると安全資産への逃避もあるのですが、一方で投機的資金の流れは滞っていないと見られ、下値の節目と見られるようなところでは買いも入って来るものと思います。雇用や個人消費の改善がどこではっきりと見えてくるのかが注目され、見えて来るまでは上値が重く、見えてくれば一気に上値追いとなって来るのでしょう。

 個別には8月の既存店売上高の減少が予想ほどではなかったコストコ・ホールセールやギャップが大幅高、金価格の上昇を受けてニューモントマイニングなど鉱業株が軒並み大幅高、幹部がアルミニウムの需要見通しを引き上げたアルコアが高く、ここのところ下落していたファニーメイ(連邦住宅抵当公社)やフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)やAIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)が大幅高となりました。一方、オラクルのサンマイクロシステムズの買収について欧州委員会が本格的な調査に入ると報じられて、オラクル、サンマイクロシステムズは軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株安や円高を受けて軟調となりました。寄り付きから売り先行で始まった後は売買高も少なく、後場寄りにまとまった買いが見られたほかは目先筋中心の動きで方向感のない展開となりました。「鯨幕相場」も終わり、底堅さが見られるのか下値の節目を割り込み調整となって来るのか正念場となりそうです。ディフェンシブ銘柄の一角や材料含みの銘柄が買われ、指数を下支えしていました。

 米国市場が堅調となったことから、日本市場も堅調な展開が期待されます。懸念された為替も円安方向に振れており、米国景気の改善も見られることから、ハイテク銘柄や自動車株など輸出株の反発も期待されます。世界的な景気回復を織り込み商品市況なども上昇が期待されることから素材株や非鉄株、商社株なども反発となってくるのではないかと思います。早くも政局の混乱も見られることから、「民主党関連銘柄」などは一服となるものと思われ、週末の手仕舞いの売り買いのなかで主力銘柄の戻りが期待されます。

 一目均衡表の遅行線が日々線にサポートされるかどうかが注目されますが、本日10400円を超えてくれば従来通りの10100円台半ばから200円台半ばの下値を確認して再び11000円を目指すことになりそうです。10200円台半ばを割り込んで引けるようであれば遅行線が日々線を下回り、調整が長引くことになりそうです。基準線や移動平均線の絡みから見ても、10400円台回復とならないと調整となってしまいそうで、週末の手仕舞い売り、手仕舞いの買戻しが交錯する中で先物に振らされながらも堅調な地合いが期待されます。

本日の注目点

◇20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議

◇4−6月期の法人企業統計(財務省)

◇11−7月期決算:巴工業(6309)

◇2−7月期決算:SUMCO(3436)

◇5−7月期決算:クックパッド(2193)

◇8月の米雇用統計

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